Uターン転職で生活が充実し、仕事にも全力投球できるように。
仕事と暮らしの理想のバランス。
サマリー
地方就職を選んだ理由
理学療法士を目指し、大分市の専門学校で学んでいた花田さん。就職先として選んだのは、神奈川県にある病院でした。
「祖父母が神奈川に住んでいたので、就職する前から神奈川に行く機会が多くありました。何より決め手となったのは、私が都会で働きたいと思っていたことでした。社会人としてバリバリ活躍するならやっぱり都会だろうと思っていましたし、医療に関する情報も都会の方が早く触れられるだろうと思っていました。学校に来ていた求人の中に、祖父母がいる神奈川の病院があったので、あまり迷わずそこを選びました」。
ところが、神奈川で始まった花田さんの社会人生活は、就職前に思い描いていたものとは少し違っていました。仕事の忙しさや人間関係の悩みなどで、つらい時期が多かったのです。「朝早く病院に行き、先輩より先に患者さんのカルテを確認することから1日が始まります。新人なので、患者さんのためにも自己研鑽を怠れないと思い、自分の時間を返上して勉強をしました。けれど、次第に自分がなんだか廃れていくような感覚がありました。気持ち的には頑張りたいのに、身体がついていかなくなっていったんです。職場の食堂でご飯を食べていると、仲のいい先輩から『顔死んでるよ』ってよく言われていて、本当に心配されていました」。
結局、花田さんは2年ほど働いた病院を退職することを決め、理学療法士ではないキャリアを探すことにしました。
「理学療法士の仕事を続けていく自分をイメージできなくなってしまいました。生きるために仕事をしているのに、仕事をするために生きているみたい、と思ってしまったんです」。
病院を退職した当初は、神奈川での生活をもう少し続けようと思っていた花田さん。半年間、神奈川にある生活雑貨店で販売の仕事をしていましたが、大分にUターン転職することを決めました。
「ある日、神奈川にいる意味が無いと気付いたんです。理学療法士として頑張る目標がなくなってしまったし、その時は愛犬と二人で暮らしていたのですが、親や友人など頼りになる人が多くいる大分に戻る方が、自分のためにも愛犬のためにもいいなと思いました」。
就職決定までの経緯と現在の仕事内容
大分に戻った花田さんが働き始めたのは、大分県内の企業に特化して人材紹介を行う株式会社キャリア・ウィーバー(以下、キャリア・ウィーバー)。どのようにして会社と出会い、入社を決めたのでしょうか。
「決めたことをすぐに実行しないと気がすまない性格もあって、転職活動を始める前でしたが、仕事を辞めて大分に帰ることを宣言してしまいました。そこから大分に帰るまで1カ月ほどあったので、大手の求人サイトに登録して転職先を探しました」。
一緒に暮らす愛犬との生活を大事にしたいと考えながら、転職先を探していた花田さん。転職先探しは難航したと言います。「今でこそ地域の企業に特化した人材紹介を仕事にしているのでよく分かりますが、大手の求人サイトには地方の求人がとても少ないんです。しかも私は、愛犬との時間を大切にするために、働き方をコントロールしやすいリモートワークが可能な職場を探していました」。
全然転職先が見つからず、焦る花田さん。リモートワークの条件を妥協しようかと思い始めた頃に面接が決まり、採用までたどりついたのがキャリア・ウィーバーでした。
現在の仕事内容
現在花田さんは、大分県内で人材を採用したい企業と求職者をつなぐキャリアアドバイザーの仕事に従事しています。
最初は完全に未経験からのスタートでした。しかし今では、社内の主要な戦力として、日々求職者を支援し続けています。キャリア・ウィーバーでの仕事をしながら、国家資格であるキャリアコンサルタントの資格を取得しました。
元々は人材業界への興味が無かった花田さん。それでも、いつの間にか仕事に対する考え方が変化していったと言います。
「アドバイザーとして仕事を続けていくうちに、私が転職を支援した方が増え、そして実際に転職された方も多くなって、『花田さんのおかげで』と言ってもらえるようになると、あれよあれよと自分でもその気になって、頑張れちゃうんですよね」と笑います。今では、キャリアアドバイザーとしての仕事だけでなく、会社の成長のために自身のスキルを他の人に伝える仕組みを作ろうと、励んでいます。
今の仕事環境をありがたいと語る花田さん。「代表との距離も近いですし、人数が少ないこともあって、私がやってみたいことを言うと、『じゃあやってみたら』とすぐにやらせてくれることが多いです。会社の体制と私の性格がマッチしているので、仕事をしていくうちに楽しさが増えていき、やりがいをもって働かせてもらっていると感じます」。
かつて病院で働いていた時は、「大人数の中の一人でしかない」という感覚で働いていたそうです。「いい意味でも悪い意味でも目立たないし、気にされない、そして給料は、働きに関係なく入ってくるもので特にありがたみも感じていませんでした」。
今は全く違います。「10名以下のメンバーと働く中で、会社の利益や、そこに対する自分の働きによる貢献度が丸見えなんです。もちろんそのプレッシャーや大変さはありますが、任せたいと思っていただけるお客さまがいる今の方が楽しいですし、自分にはこういう環境の方が合っていたんだなって思います」。
暮らしや考え方の変化
神奈川に引っ越してすぐの頃は、休日返上で働くことを厭わず、一方でプライベートは大好きなディズニーランドの年間パスポートを買い、休みがあれば行く。そんな生活を想像していた花田さん。ところが働き始めてみると、仕事の大変さや自分の時間が作れないことを痛感しました。
「人生の優先順位を考える中で、自分自身や自分の時間を大事にすることがどれだけ必要かということに気付きました。仕事をバリバリ頑張ると言いながら、その自分がボロボロだったら何も意味が無いんです。優先度を変えて、家族や友人がいるところで生活する方が、人生の質が上がるのではないかと思うようになりました」。
大分にUターン就職したことで、仕事と生活のバランスが大きく変化した花田さん。「病院にいた時は、朝から夜遅くまで院内にいることが多い生活でした。今の職場では、例えば転職の相談に来られる方は、仕事後の時間を希望されることも多いので、午前中は仕事を入れず、昼から夜にかけて仕事をすることもできます。また、できるだけ愛犬と一緒にいられるように、対面の面談はできるだけまとめ、他の時間は家で仕事をする、といった予定を立てることもできるんです」。
神奈川にいた頃は「かなりストレスだった」という通勤も、電車から車に変わりました。「プライベート空間が確保されていて、断然車の方が楽」とのこと。
普段の生活においても、大分市の意外なメリットに気付いた花田さん。「都会の生活って、選択肢が多過ぎるんです。外食でも、買い物でも、選べるものが多過ぎて疲れてしまう。大分であれば、買い物をするならここ、という場所が私の中ではだいたい3つくらいに絞られるので、迷ったり悩んだりすることが減ってすごく楽になった感覚があります」。
休日の時間の使い方も変わりました。「神奈川にいた頃は、休みの日まで仕事関係の人と会いたくないと思って、あまりプライベートでは関わらず、一人で家にいることが多かったです。今は、友人を家に招いて誕生日パーティーをすることもありますし、自然も豊かなので、友人とドライブがてら、季節のお花のイベントに行くこともあります」。
首都圏を離れたいと考えている人へのメッセージ
神奈川にいたころは「地方就職の進め方を全く分かっていなかった」と振り返る花田さん。これから地方就職を考える人に向けて、「地方に特化したエージェントが無いかは調べた方がいいですね。それから、県や市が移住を全力で応援していることも多いです。もし私が就職活動をする時に知っていたら、移住先として検討している県や市に問い合わせて、情報収集をしていたと思います」と具体的なアドバイスを語ってくれました。
また、地方は都会よりも活躍しやすいと花田さんは言います。「地方って、自分のことを知ってもらいやすい場所なんです。昔は、すぐ自分のことが知れ渡る地方の距離感がとても嫌で、だから就職とともに都会へ出たと言ってもいいくらいでした。でも今、仕事をする場所として大分を捉えると、狭いことで人に知ってもらいやすく、その結果仕事がスムーズに進んだり、声を掛けてもらえるチャンスが広がったりするんです。これが都会だったら、簡単に埋もれてしまったと思います。自分のがんばり次第で、注目してもらったり、突き抜けたりできる、地方はそんな可能性を秘めた場所だと思います」。