保護者の皆様へ

お子様の就職のサポート方法

LO活プロジェクトは、地方就職を考える若年層を応援する厚生労働省のプロジェクトで、東京圏・大阪圏在住の、地方圏への就職に関心を持つ3万人の登録者が利用するサービスです。
このページでは、多くの地方就職希望者の支援をした観点から、保護者の方が協力できることについて紹介したいと思います。

地元・地方就職を見守る保護者のみなさまへ

「地方就職の現状」「就活ポイント・情報収集」「みなさまが協力できること」のプログラムに沿って、解説します。

1.就職を取り巻く社会状況の
変化を理解する

保護者世代と現在の学生とで
「働くことへの価値観」は異なる

現在は、働く価値観が大きく変化していく過渡期といえます。
高度経済成長期終了後に生まれ育った今の学生の「働く価値観」は、大きく変化してきています。
バブル期では、「自分の能力を試すため」「経済的に豊かになるため」といった価値観をもつ学生が多かったですが、2000年代以降は「楽しい生活をするため」が上位を占めるようになりました。
また、就職活動は、かつてのリクルーター制やハガキで資料請求をしていた後、長らくインターネットで広くエントリーを集める方式が定着していましたが、近年は、本格的な就職活動前にインターンシップを経験する学生が増え、一括採用の見直しも検討されるなど、ちょうど大きな過渡期を迎えています。
保護者世代が学生の頃には、東京の大手企業に勤めることがステータスであり、実際にメリットも大きかったものですが、そういった状況も変化しています。
過渡期に就職活動を迎える今の学生に対して適切なアドバイスができるよう、保護者も社会状況の変化を理解する必要があります。

2.地方就職向けの支援施策を
活用する

地方就職は公共機関が多様な支援策を
用意している

地方創生の呼び声のもと、地方圏での就業促進には、多くの予算が割かれるようになりました。
東京には全ての道府県のUターン・Iターン就職の相談窓口が設置され、地元に帰らなくても相談ができるようになりました。
地方で就職活動をする場合は交通費を補助してくれる自治体もありますし、地方で就職した場合には奨学金の返済を負担するなど、優遇措置が数多く存在します。
本格的に地方での就職を考えていない場合でも、気軽に参加できるイベントも数多く実施されていますので、そういった機会をぜひ活かしていただければと思います。

地方就職の費用面の課題

就職活動は、意外と費用がかかるものです。スーツやカバンの購入費、加えて地方・地元就職ともなると、かかる交通費もかさんできます。実際に、遠方への就活交通費を浮かすために、夜行の高速バスを利用する就活生も多いです。
下のグラフは「地方就職した方」の「あれば利用したかった支援」の回答です。
地方就職を希望する方は、交通費を自分で捻出する方もいます。これは、親に迷惑をかけたくないという理由からです。
費用の捻出のことも考え、早い時期からお子様と就職活動の意向を話しておくことをお勧めします。

あれば利用したかった支援

グラフ:あれば利用したかった支援

出典:平成30年度 地方人材還流促進事業(LO活)就職先決定調査

3.就業先の選択肢を広げる

魅力的な就業先の見つけ方を知る

お子様の就職先として、地方には公務員や金融機関くらいしかないと思っていませんか?
もちろん、本人がよく公務員や銀行員としてのキャリアについて知って志望しているなら何の問題もないのですが、保護者自身が地元の企業を知らなかったり、先入観から発言して、意図せずしてお子様の視野を狭めてしまっていることが往々にしてあります。
よく「地元には仕事がない」と言う学生がいますが、全国軒並み人不足で有効求人倍率が跳ね上がる中、ないのではなく、見つけられていないことがほとんどです。
下記は、LO活プロジェクト登録者に向けたアンケートですが、学生の就職の情報源はほとんどが大手就職ナビサイトです。日本には385万社の企業が存在しますが、大手就職ナビサイトに掲載される企業は1~2万社で、1%に満たず、その多くは採用予算が多くある大都市の企業になります。
このナビで地方エリアを選択して検索すると、数は圧倒的に少なく、イコール「就職先がない」という学生の発言に行きつくことになります。

就活時に利用したサービス

グラフ:就活時に利用したサービス

出典:平成30年度 LO活学内セミナー アンケート回答結果

地方の企業を見つける方法

では、地方の企業はどうやって探せばよいかというと、前述の相談窓口で相談する他、ハローワークや各自治体の企業紹介サイトを探す方法があります。

ハローワークでは、全国どこにいても希望エリアの求人を探すことができます。新卒応援ハローワークでは、新卒向けにアドバイスにものってくれます。

また、厚労省も新卒学生のミスマッチを防ぐため、ユースエール認定企業(雇用状況が優良で若者の雇用に積極的な企業)や、くるみん認定企業(女性がはたらきやすい環境を整備している)などの認定制度を設けています。地方エリアにも多く存在します。

今後の社会で必要なのは、現在安定している職場を選ぶことではなく、時代の変化に対応し、個人が成長できる環境に身をおくことだともいえます。地方にもそういった実力が身につく会社は多く存在しますので、地方にあるからといって切り捨てるのではなく、視野を広げ、内実を見極めていっていただければと思います。

早いうちからコミュニケーションを

上記説明してきたように、社会状況の変化に伴って、就職活動も、情報の収集手段も大きく変化しています。
保護者としては、考えを押し付けるのではなく、お子様がどう考えているのかを引き出しつつ、視野が狭くなっている点に関しては、それを広げてあげるような助言ができる関係が望ましいと思われます。
そのために、このページを活用して、地方就職の全容、どこで情報がとれるのかは、保護者の皆様にも把握しておいていただきたいと思っています。
自主性を重んじるために、何も就職について会話していないと、お互いの思い違いが後の後悔につながることもあります。
放任するのではなく、信頼して会話し、必要なサポートはできる準備をしておくことが大切です。