インタビュー

地方就活を振り返って~LO活卒業生インタビュー【6】

自分を試せる場所に行きたい──22年住んだ関西から愛媛へのIターン

LO活を活用して地方就職を実現した「LO活卒業生」にお話を聞く本企画。今回は愛媛県の「福助工業株式会社」で生産管理担当者として働く山下太一さんへ、リモート取材を行いました。知らない土地で自分を試したい――そんな強い信念をもって就活に臨んだ山下さん。当時の就活をLO活相談員の尾島さんとともに振り返ります。また、現在の愛媛県での仕事ぶり&暮らしぶりにも迫ります。

【LO活卒業生プロフィール】

山下 太一さん
兵庫県宝塚市出身。大阪経済大学経営学部卒業。就職活動を経て、愛媛県四国中央市にある「福助工業株式会社」に入社。現在は工場業務の部署で生産管理を担当している。趣味は野球観戦(阪神タイガースの大ファン)。

【企業情報】

福助工業株式会社
住所:愛媛県四国中央市村松町190

新しい土地に行って自分を試すことで、人間的に成長するキッカケにしたいと思った

――就職活動の中で、どのようにしてLO活に出会ったのですか?

山下:最初から地方就職を考えていたわけではないんです。地元が兵庫県なのですが、最初は「関西の会社に就職するのかな」くらいに考えていました。大学3年生の11月に、大学にLO活プロジェクトの方が来ていただきまして、そこで初めて「地方就職という選択もあるんだ」と気付いて、意識するようになりました。

尾島:その翌月の12月、私たちが学校外でイベントを開催したときに、LO活に興味を持った山下さんが参加してくれたんです。そこで初めて山下さんと出会いました。当時はまだ対面で相談をしていましたので、その後に今度は個別相談を申し込んでくれ、「相談を申し込んでくれた目的は?」「話したいこと、聞きたいこと、ゴールに思うところは?」という話をじっくり聞かせてもらいました。

山下:ただ、そこで就活を地方就職に絞ったわけではなく、就活についてはずっと関西の企業と地方の企業を並行して見ていました。その地方就職の相談相手が尾島さんという感じです。

尾島:最初の相談の中で、山下さんは「勤務地にはこだわらない。関西じゃなくてもいいし、地方についても自分を試せる場所ならどこの土地でもかまわない」とおっしゃっていました。その中で、結果的に就職先が愛媛県になりました。

山下:生まれてから22年、ずっと関西で暮らしてきて、そこで友人もたくさんできましたが、「新しい土地に行ったら自分はどうなるのだろう?」と興味がわいたんです。ホームシックになって、寂しさから泣いてしまうかもしれない。でも「自分は一人でも生きていけるんだ」という自信がつくかもしれない。新しい土地に行って自分を試すことで、人間的に成長するキッカケにしたいと思いました。

──相談のやり取りの中で、印象的だったことはありますか?

山下:尾島さんから言われて一番印象に残っているのは、「今、LO活を利用してもらっているけれども、だからといって地方就職にこだわらなくてもいい。自分の条件で進路選択を考えることに意味があるわけで、考えた結果として自分の判断で、最終的に自分が行きたいところに就職すればいい」ということ。その言葉を聞いたらプレッシャーが吹っ飛んで、受けたい企業をどんどん受けようと、就活における視野が随分と広がった気がします。

尾島:LO活プロジェクトというのは、個々の企業を就活生に紹介しているわけではなく、企業の探し方を提案したり、就活上の様々な相談を受けて親身になって一緒に考える、そういう場所なんですね。初めての就活で、しかも地方就職。分からないことだらけで不安なのは当たり前です。だから、どんどん聞いてくださいというスタンスでお話をしています。その上で、前述の言葉もそうですが、あくまで視野を広げるなどのお手伝いをしているのです。

──山下さんの就活期間中にコロナ禍になったわけですが、相談のやり取りはどうなりましたか?

尾島:山下さんと最後にお会いしたのは大学3年生の3月で、そこからは電話でやり取りさせていただきました。

山下:私は相談が対面ではなく電話になったことで、「電話だったらいつでも相談できる」と思って、むしろプラスにとらえていましたね。

尾島:でも山下さんは(最後の対面相談の)3月の時点で、もう受けたい企業、働きたい企業がほぼ決まっていました。だからそれ以降は、書類の添削や模擬面接などの選考対策をするだけになっていたと思います。3月に1社落ちたという連絡が来たのですが、本人は「良い経験をしたと思って次に行きます」と非常にポジティブに受け止めていました。5月には今の就職先に内定が出て、他社をどう辞退しようかという話になっていたので、やはりオンライン上での就活でも早い段階での企業選びが大事なのだと思います。

山下:福助工業は12月の企業説明会で「ポリ袋のシェア日本一」と知って、そこから興味を持って第一志望になりましたが、一次面接のスケジュールが少し遅かったんです。そのためこういう言い方はよくないかもしれませんが、そこまでの就職活動は「本番までの模擬試験」くらいの気持ちで受けていました。だから落ちた企業があっても、「本番に向けていい経験になった」とポジティブな気持ちでとらえることができましたね。

尾島:山下さんは「自分を試せるところなら、全国どの地域でもかまわない」というスタンスで就活を行なって内定を得たわけですが、今の会社に入社する際も「2年目以降は全国転勤があり得る」ということを承知した上で入っています。あらゆることをポジティブに受け止めて挑戦していく、そういう人間性の強さを持っていることも、山下さんの大きな強みだと感じました。

アドバイスを素直に実行することが道を開いた

──ネットや本を見ると、就活についての情報であふれていますよね。多すぎる情報に迷うことはありませんでしたか?

山下:私はそういった情報ではなく、実際に1対1でご指導いただいた方の情報を信用していましたので、惑わされることはなかったですね。でも尾島さんだけに頼っていたわけではなくて、たとえば尾島さんにエントリーシートの添削をしていただいて、それを修正してOKをもらっても、今度は大学の就職課にもエントリーシートを見てもらう、ということをやっていました。そうやってどんどん磨かれていってエントリーシートが完成する、というイメージです。

尾島:学生の皆さんには「情報収集はいっぱいしてください。ただし、その集めた情報の選択が大事です」とよくお話ししています。でも自分だけではどう判断したらいいか分からないときもある。そういった場合は「相談窓口は2~3カ所持っておいて、自分で判断できないものはどんどん相談してください」と、そう山下さんにもお伝えしました。

山下:そのアドバイスのおかげで、就活における自分のフォームが作れたのだと思います。

尾島:ただ、3人に見せたら3人とも違うことを言う可能性もある(笑)。どの人の話をどう取り入れるかは、やっぱり自分で決めるしかないのだと思います。ありがたかったのは山下さんが、私のアドバイスをちゃんと実行してくれたところですね。実行してその結果が良かったか悪かったかで、次の展開を考えていくのですが、いろいろお話ししても実行に至らない学生さんは多いです。でも山下さんは素直に実行してくれた。そこは大きかったと思います。

山下:こちらこそ尾島さんの言葉にたくさん背中を押してもらいました。改めて、ありがとうございました。

尾島:いえいえ、私もこうして久しぶりに山下さんとお話しできて嬉しかったです。仕事着姿も相まって、一段とたくましく見えますね。これからのご活躍も応援しています。

相談事もしやすい職場環境で、寮生活も充実

──ここからは、地方就職1年目の山下さんに今の仕事や暮らしぶりについて伺います。福助工業では、どんなお仕事をされていますか?

山下:工場業務という部署に所属しています。営業が注文を受けた商品を現場に伝えて、「この製品をいつまでに作ってください」という製造指示を出すのが主な仕事です。

山下:それに加えて、カタログに載っている商品の在庫管理もやっています。在庫が切れないようにうまく予定を立てて、同じく製造指示を出すという仕事です。「注文がどんどん来たから、どんどん予定を組んで製造をしてください」というわけにもいかないところがあって、その調整にいつも頭を悩ませています。

──四国中央市での生活はどうですか?

山下:現在は会社の寮に住んでいるのですが、平日は毎晩、400円前後で夕食が食べられるし、食堂で先輩や同期とわいわい楽しく話せるので、寮生活は充実しています。相談事もしやすい環境ですし、一人暮らしではありますが、一人で食べる時間を見つけるのが難しいくらいですね(笑)。

山下:それと関西にいた頃は海から遠かったのですが、ここは海が近くて、寮から海が見えるんです。潮風に吹かれる生活もいいなと思っています。私は阪神タイガースが好きで、関西にいるときはよくテレビで中継を見ていましたが「愛媛に来たら見られなくなるのかな……」とちょっと心配していたんです。でも今は配信サービスがあり、地方でもスポーツ中継や様々な番組を見ることができるので、今も仕事終わりに試合を見ています。

就活はゴールではなくスタート、就職後のビジョンを大切に

──最後にこれから地方就職を志す人へ、アドバイスなどあれば教えて下さい。

山下:就活で大事なのは、まず積極性だと思います。何社受けたっていいわけですし、そこで1社落とされても、「まだ次がある」と思ってどんどん前に進んでいく積極性を持ってほしいです。「落とした企業を見返してやる」くらいの気持ちがあっていいと思います。

もう一つ、「就活がゴールではない」ということも考えていただきたいです。就職が決まったところからようやくスタートなので、就職後のことを考えて就活をしてほしいと思います。あるセミナーで「就活は人生の中でたった1年に過ぎない。でも残りの人生は、これまでの倍、およそ50年はある。先の50年のために、この1年の期間を頑張れ」と言われたことを、今でもよく覚えています。

地方就職について言うと、知らない土地に住むことは勇気がいることだと思います。でも人間って、意外と適応能力があると思うんです。同じ日本だし、土地は違っても言葉は通じるわけですから。「今までと違う自分を発見する」「自分を成長させる」という点で、地方就職は自分にプラスになる……と考える方がいらっしゃるなら、ぜひLO活に相談してみるとよいと思います。

取材を終えて

実は山下さん、大学時代は関西六大学野球連盟の学生委員長を務めていました。就活に有利そう!と思ったのですが、そこでのコネクションをいかした就活は考えておらず、実際にお話が来ても断っていたそう。インタビューでも「自分を試す」という言葉が出てきましたが、自分で動いて決めたいというとても意思の強い方だとわかります。

最初はエントリーシートにもその経歴は書いていなかったそうですが、そんな山下さんに尾島さんは「肩書きよりも、そこで何を学んだかのほうが大事。だから学んだことは書いておいたほうがいい」とアドバイス。また、「LO活に相談しているからといって地方就職にこだわらなくてもいい」という尾島さんの言葉が山下さんを勇気づけたように、ポジティブで意思の強い山下さんに、尾島さんの年功者としてのアドバイスがかみ合って成功した……そんな就活のように思いました。

 

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※この記事に掲載されている情報は、2022年1月にサイトに公開した時点での情報です。