レポート

LO活 就職先決定調査アンケート 2024

2024卒および既卒者のLO活登録者に、アンケートを実施

LO活では毎年、卒業年度および既卒者の方に向けて、就職先決定調査アンケートを行っています。前年度の「地方就活」の状況が見えてきますので、地方就活を検討している方はぜひ参考にしてください。

2026卒の就活は、企業の人材不足が続いていることから、引き続き学生優位の売り手市場が続くと言われています。採用競争の激化から初任給を上げることで、差別化を図る企業の報道を見たことがあるのではないでしょうか。都会から地方への就職を考えている場合は、地方就職特有の情報を活用したアプローチが有効になります。ぜひ下記のアンケート結果なども参考に、LO活のような地方就職を専門としているサービスを活用してください。

 

【LO活 就職先決定調査アンケート 2024】
・調査期間:2024/4/1~2025/3/15
・対象者:2025卒および既卒者(社会人)のLO活登録者
(*LO活は東京圏・大阪圏で活動しているため、回答者の大半が都市圏在住の方となっています)
・有効回答数:4,637名

 

 

年度末時点での決定状況について

2024年度のLO活アンケート調査では、最終的な内定率は新卒者が92%(昨年から2ポイント減少)と、ここ数年継続して90%を超える状況が続いています。一方既卒者の最終的な内定率は75%で、昨年から9ポイント減少となりました。

 

図1:新卒者および既卒者の内定率

*内定率|有効回答件数のうち、「就職・転職済」「内定あり(活動終了)」「内定あり(活動継続中)」の回答割合<br />
<br><br> *内定率|有効回答件数のうち、「就職・転職済」「内定あり(活動終了)」「内定あり(活動継続中)」の回答割合


就職先の勤務地について

では「地方就職」への意識は、どのようになっているのでしょうか。
「希望勤務地」と「実際の就職場所」を見てみましょう。

新卒者で「地方就職」を希望していた方は45%(昨年より3ポイント減少)でした。その中で、実際に地方で就職が決定した方は31%(昨年より4ポイント減少)となっています。「地方就職」を希望する新卒学生の割合は、新型コロナウイルス(以下、コロナ)の影響があった2021~2022年に上昇し、54%(2022年)~57%(2021年)と半数を超える状況となりました。その後、徐々に減少に転じ、昨年2024年にコロナ以前の水準となる2020年と同じ48%となりました。今年は、そこから3ポイント減少となっています。

既卒者は、どうでしょうか。
地方での就職希望者は35%(昨年より4ポイント増加)で、実際に地方に就職された方は29%(昨年より1ポイント減少)でした。既卒者に関しては、コロナの影響があった2021~2022年は、地方就職希望者が前年から減少に転じる傾向がありましたが、昨年から増加に転じ、今年も4ポイントの増加となりました。ただ、コロナ以前の2020年の38%までは戻っていない状況です。

 

図2:出身地・居住地・希望勤務地・就業地(内定)の状況

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就職先の業種について

続いて、都市と地方における就職先の業種の違いについて調べてみましょう。
地方圏は都市圏に比べて、金融、公務員、メーカー(機械/電気)、小売が多くなっていることが分かります。対して東京圏はIT/通信系が目立ちます。

昨年は、都市圏よりも「素材/化学/食品/その他」メーカーの割合が高くなっていましたが、今年は「機械/電気」メーカーの割合が高くなっています。

近年、復調しつつある家電メーカーでは、コロナ禍で経験した経営リスクの回避から、採算の取れていない事業の整理や、自社の強みを活かした事業分野に経営資源を集中することで活路を見出す傾向が強くなっています。加えて円安や海外での人件費高騰によるコスト対策などの理由から、生産拠点を国内に回帰する動きも進んでいます。昨年は、九州や北海道などの地方に、大型の半導体工場が建設される動きから、「素材/化学/食品/その他」メーカーの割合が高くなっていましたので、企業の動向が本アンケート結果にも反映されているように感じられます。

 

図3:就職決定先の業種

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地方で就職した理由・しなかった理由

では、地方就職者が「地方就職を選んだ理由」を、見てみましょう。
1位と2位は昨年と同様で、「地元で暮らしていきたいため」が1位(35%)、「地元に貢献したいと考えて」が2位(13%)となっています。3位(11%)は同率で、「生活のペースが自分にあっているため」「やりたい仕事や働きたい会社があったため」が並びました。昨年同率3位に入っていた「実家から通える場所で働きたかったため」は5位(7%)へランクダウンして、昨年5位の「やりたい仕事や働きたい会社があったため」が3位へランクアップしています。

一方、地方で就職しなかった理由は、1位(17%)が「やりたい仕事や働きたい会社が(東京圏・大阪圏)にしかなかったため」で、2位(16%)が「採用された企業がとても気に入ったため」となりました。昨年はこの2つが同率1位でしたが、今年は「採用された企業がとても気に入ったため」が1ポイント減少して2位となっています。また3位(12%)は昨年と同じ内容が同率で並び、「都会での生活が好きなため」と「そもそも地方就職に強い意向がなかったため」となりました。地方で就職しなかった理由の上位にはあまり変動がなく、例年通りに「東京圏・大阪圏の仕事や生活等に魅力があった」という傾向が続いています。

 

図4:地方就職を決めた理由・地方就職をしなかった理由

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地方で就職しなかった理由の自由記入欄には、昨年同様「東京圏・大阪圏で経験を積みたい、いずれは地方を検討」という声や、「地方だと企業数が少ないため」といった地方で実績を積むための経験や、志望企業の見つけ方の難しさに懸念を示す声もありました。

一般的に地方では、採用予算をかけずにハローワークや自治体主催の就職イベントなどを活用する企業も多数あります。そのため都市圏と同じ就活手法だけでは、求人企業が少ないと感じるケースも多いようです。そのためLO活では、全国の自治体が運営している求人サービスや就職イベントの情報を掲載しています。LO活サイトの「企業検索」で、地方企業について検索してみてください。
 企業検索はこちら

 

今後の地方圏での就職意向

では、新卒で東京圏・大阪圏に就職を決めた方は、将来的に「地方就職」をどのように考えているのでしょうか。

新卒で東京圏へ就職を決めた方のうち41%が、将来的な地方圏での就職を考えている結果となりました。また大阪圏へ就職を決めた方は、36%でした。東京圏・大阪圏ともに、将来的な「地方就職」の意向は、昨年よりも4ポイント高くなっています。

 

図5:今後の地方圏就職意向

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地方就職に関しては、様々な自治体が助成金などの移住者支援を行っており、そのような支援が、地方就職のきっかけとなっている場合もあります。

LO活では、地方就職による移住での奨学金返還免除をはじめ、全国の自治体で実施されている地方就活に関する支援情報も掲載しています。下記の「自治体別地方就活助成・支援制度」も、活用してみてください。
 自治体別地方就活助成・支援制度はこちら

 

就職に役立った支援(地方就職者への設問)

続いては、地方就職に対して「どのような支援を活用したか」を確認してみましょう。

1位は「民間のウェブサイト、イベント、個別相談」、2位が「学校内での地方就職関連のイベント、キャリアセンター、個別相談」、3位が「地方での地方就職関連のイベント」となっています。3位の「地方での地方就職関連のイベント」は、昨年4位からのランクアップです。

あれば利用したかった支援内容は、例年同様に「交通費の補助」が最も多く、自由記述では「地方企業情報の充実(より詳細な情報を知りたい)」、「オンライン(イベント・選考)の充実」、「選考対策の充実(対面・グループディスカッションなど)」、「先輩体験談、就活生同士の交流」などの回答が見られました。

地方就職関連のイベントは参加者のニーズが高いため、LO活では全国の道府県別の「セミナー・イベント情報」をサイト上に掲載しています。
 セミナー・イベント情報はこちら

また、あれば利用したかった支援「地方就活に対する自治体の交通費補助」については、下記に実施している自治体の情報が掲載されていますので、ぜひ活用してください。
 自治体別地方就活助成・支援制度はこちら

このような地方就職に関するおすすめ情報を受け取れるLO活の「お知らせメール」、「お役立ちメール」もぜひご活用ください。
 お申込みはこちら

 

図6:地方就活に役立った支援

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図7:あれば利用したかった支援(地方就職者のみの回答)

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内定先を知ったきっかけ

地方就職者は、どのように内定先の企業と出会ったのでしょうか。
東京圏・地方圏にかかわらず、「民間のサービス」をきっかけに企業を知るケースが最多となっています。また「地方自治体のウェブサイト、セミナー・イベントなど地方自治体が発信する情報」から内定先を知ったケースは、昨年と同様の10%となりました。

地方就職を考える際には、「地方企業を知るきっかけ」を増やしていくことが大切です。
自治体主催の就職イベントは、民間の就活サイト主催の就職イベントでは出会えないような企業に出会うことができます。さらに地方自治体の中には、東京圏・大阪圏に相談窓口を設置している場合もありますので、このようなサービスを活用して地方企業と出会うチャンスを増やしてください。

LO活では、自治体が行っているセミナー・イベントの情報を随時掲載しています。
地元開催だけでなく、東京圏・大阪圏で行っているセミナー・イベントも掲載していますので、ぜひご活用ください。
 セミナー・イベント情報はこちら

 

図8:内定先を知ったきっかけ

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ハローワークの利用状況

地方企業が採用で活用することが多い「ハローワーク」の利用状況を見てみましょう。
「ハローワークに行ったことはないが名前は知っている」が72%(昨年より1ポイント減少)、「実際にハローワークを活用した(行った、登録した)人」は24%(昨年より1ポイント増加)でした。

地方企業では、都市部の情報が集中した民間の有料求人媒体を利用せずに、管轄地域の求人が全国に無料で掲載できるハローワークを使うケースが多くなっています。そのため、民間の求人媒体よりも多くの企業が掲載されています。

また、「新卒応援ハローワーク」では新卒者や既卒3年以内の方を対象に、求人を探すだけでなく、書類添削や面接対策などの支援も行っていますので、活用してみてはいかがでしょうか。ハローワークの求人は全国ネットワークのため、日本国内のどこにいても希望地域の求人が確認でき、オンラインでも利用できます。
 新卒者や既卒3年以内の方向けの「新卒応援ハローワーク」はこちら

そしてLO活では、実際に新卒学生が「新卒応援ハローワーク」を利用した様子をレポートするYouTubeコンテンツ「新卒なのにハローワーク? →利用してみたら就活が一気に進んだ!」を公開しています。ぜひ、どんなところなのか、雰囲気だけでも動画で確認してみてください。
 「利用してみたら就活が一気に進んだ!」はこちら

 

図9:ハローワークの利用状況

LO活へのご意見・ご要望

最後に、フリーコメントでいただいた「LO活へのご意見・ご要望」から、いくつかご紹介します。

・エントリーシートの添削をしていただき、有難かったと感じています。
・大学1~2年という早い段階から、自治体の就職の窓口を紹介していただきました。
・東京に出てから都内しか見なくなっていたので、選択肢と視野を広げていただきました。
・最後までサポートしていただき、諦めずに就活を頑張ることができました。ぜひ後輩にも勧めたいと思います。

地方就職では、求人手法が都市圏と異なるため、「知っていると活動の幅が広がる手法」がたくさんあります。早くから知っていれば、インターンなどでも活用の幅が広がります。また地方就職を専門としたサポートも充実しています。

では具体的に地方就活は、どのような点でサポートを必要と感じるのでしょうか。
LO活では、実際に卒業生が実感した「相談員さんがいてくれて本当に助かった」という声をまとめたコンテンツを掲載しています。LO活を活用して地方就職を成功させた卒業生と、担当された相談員それぞれのインタビュー集となっています。地方就活において、どのような点で相談員に助けられたのか、確認してみてください。
 LO活卒業生が実感「相談員さんがいてくれて本当に助かった」実録まとめはこちら

LO活では学生に限らず、既卒者の方にもご活用いただける様々な情報を、引き続き収集・発信していきます。ぜひ、周囲の地方就職を希望されているお友達にも教えてあげてください。

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