レポート

LO活 就職先決定調査アンケート 2020

2021卒および既卒者のLO活登録者に、アンケートを実施

LO活では、卒業年度および既卒者の方に向けて毎年、就職先決定調査アンケートを行っています。

前年度の地方就活の状況が見えてきますので、これから地方就活を目指される方は、参考にされてみてはいかがでしょうか。

 

・調査結果:2020/4/1~2021/3/15
・対象者:2021卒および既卒者(社会人)のLO活登録者*
(*LO活は東京圏・大阪圏で活動しているため、回答者の大半が都市圏在住の方となっています。)
・有効回答数:4,604名

 

年度末時点での決定状況について

2021年卒の就活では、まず「新型コロナウイルス」の影響を考えなければなりません。

LO活アンケート調査によると、新卒者の内定率は前年度に比べ5~7月の間で大きく下回りました。その後、遅れを取り戻す推移となりますが、年度末時点では最終的に前年度を2.1ポイント下回る92.1%という結果となりました。

 

図1:新卒者の月次内定率

*内定率|有効回答件数のうち、「就職・転職済」「内定あり(活動終了)」「内定あり(活動継続中」の回答割合<br />
<br><br> *内定率|有効回答件数のうち、「就職・転職済」「内定あり(活動終了)」「内定あり(活動継続中」の回答割合


就職先の勤務地について

では、「地方就職」の状況は、どうだったのでしょうか。
就職先の勤務地について見てみましょう。

新卒者の中で地方就職を希望されていた方は48%でした。アンケート回答者のうち地方圏の出身者は59%でしたので、地方出身者の割合よりも地方就職希望者が11ポイント低くなっていることが分かります。また、実際に地方で就職が決定した方は37%でした。

既卒者では、地方で就職を希望されていた方は38%でした。アンケート回答者のうち地方圏の出身者は47%でしたので、地方出身者の割合よりも地方就職希望者が9ポイント低くなっていることが分かります。また、実際に地方で就職が決定した方は30%でした。

地方で就職を希望されていた方(新卒者48%・既卒者38%)、実際に地方就職が決定した方(新卒者37%・既卒者30%)の割合を見ると、新卒者で11ポイント、既卒者で8ポイントの差が見受けられます。地方就職を希望していた方の中には、何らかの理由により地方就職をせず、都市圏での就職に転向した方がいると考えられます。

このあたりの理由については後ほど触れますので、読み進めてください。

 

図2:新卒者の月次内定率

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就職先の業種について

都市と地方では、就職先の業種にどのような違いがあるのでしょうか。

地方圏での就職先決定者は都市圏での決定者に比べて、金融、公務員、メーカーが多くなっていることがわかります。対して東京圏は、IT/通信系が多いのが顕著に見て取れます。

 

図3:就職決定先の業種

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地方で就職した理由・しなかった理由

では、どのような理由で地方就職したのでしょうか。

地方圏で就職した理由は、1位「地元で暮らしていきたいため」が圧倒的多数で35%となりました。また2位~4位は僅差となります。2位「地元に貢献したいと考えて」が11%、3位「生活のペースが自分にあっているため」、4位「実家から通える場所で働きたかったため」の10%が続きます。Uターンして「地元に貢献したい」「自分にあった暮らしがしたい」という意識が、垣間見えます。

また自由記述式回答では、「新型コロナウイルス拡大の影響があったため」が0.4%と少数ではあったものの確認されました。

一方、地方で就職しなかった理由は、「やりたい仕事や働きたい会社が(東京圏・大阪圏)にしかなかったため」が1位(19%)。2位~4位は、あまり「地方」への意識との関連性はなく、「採用された企業が気に入ったため」「そもそも地方就職に強い意向がなかったため」「都会での生活が好きなため」などが続きます。
「地方圏の就職活動をするのに、移動の時間や費用がネックになったため」という回答もありました。

一方で、「東京圏・大阪圏の方が給与等の労働条件が良かったため」が5位(7%)に入っており、1位の「やりたい仕事や働きたい会社が(東京圏・大阪圏)にしかなかったため」も含め、東京圏・大阪圏の多様な職種・高い労働条件が、地方を選ばなかった理由としてあがっています。

自由記述式回答での「新型コロナウイルス拡大の影響があったため」は1%となっており、地方で就職したケースより0.6ポイント高くなっています。

自由記述式回答の中には「緊急事態宣言の影響で地方への移動が制限された」、「地方企業の採用が中止になった」という回答も見られました。

 

図4:地方就職を決めた理由(左)・地方就職をしなかった理由(右)

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全国の自治体の中では、地方就職希望者へ、面接などの就職活動にかかる交通費の支援をしている自治体もあります。そのような制度を活用することで、金銭的な理由で地方での就職を諦めることなく、ご自身の希望に沿った就活をしていただきたいと思います。

LO活では、そのように地方就活者に対する支援を行っている自治体の情報を掲載しています。
地方就活助成・支援制度一覧はこちら

 

 

今後の地方圏での就職意向

では、東京圏・大阪圏で就職を決めた方の「地方就職」に対する意識は、どのようになっているのでしょうか。

東京圏・大阪圏で就職を決定した人のうち、半数近くが将来地方圏での就職を考えている結果となりました。新卒での就職は東京圏・大阪圏を選択したものの、いつかは地方で就職したいと思っている方が潜在的に多く見受けられます。

 

図5:今後の地方圏就職意向

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就職に役立った支援(地方就職者への設問)

続いては、地方就職に対してどのような支援を活用したかを確認しましょう。

地方就職者の多くは、地方・都市部・学校等で行われる地方就職関連のイベントを活用し、就活に役立ったと回答しています。あれば利用したかった支援内容は、例年同様に交通費の補助が多く、今年度はコロナの影響下によりオンラインでの支援や、先輩・就活生同士の交流などを求める声もあがっていました。

LO活では、全国の道府県別のセミナー・イベント情報を掲載しています。
こちらを随時確認して、希望エリアのセミナー・イベントを見つけたらご参加ください。
https://local-syukatsu.mhlw.go.jp/seminar/

また、あれば利用したかった支援「地方就活に対する自治体の交通費補助」については、下記に実施している自治体の情報が掲載されていますので、ぜひ活用してください。
https://local-syukatsu.mhlw.go.jp/support/?place=&type=sp_type_02&result=true

このような地方就職に関するおすすめ情報を受け取れる「LO活のお知らせメール」もぜひご活用ください。
お申込みはこちら

 

図6:地方就活に役立った支援

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図7:あれば利用したかった支援(地方就職者のみの回答)

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内定先を知ったきっかけ

では、どのように内定先の企業を見つけたのでしょうか。

東京圏・地方圏にかかわらず、民間のサービスをきっかけに企業を知るケースが最多となります。また地方圏での就職活動では、地方自治体のWebサイト、セミナー・イベントなど地方自治体の情報から内定先を知ったケースが3位となっていることも分かります。

地方自治体の中では、東京圏・大阪圏に相談窓口を設置している場合も多くあります。また東京圏・大阪圏で開催される自治体主催の就活イベントなどもありますので、このようなサービスを活用することで、地方企業との出会いの幅が広がるものと思います。

LO活では、自治体が行っているセミナー・イベントの情報を随時掲載しています。
自治体の地元で開催するイベントも、東京圏・大阪圏で行っているものも掲載しています。
オンライン開催も多数ありますので、ぜひ活用してみてください。

セミナー・イベント情報はこちら

 

図8:内定先を知ったきっかけ

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ハローワークの利用状況

地方企業が活用する「ハローワーク」の利用状況を見てみましょう。

ハローワークに行ったことはないが、名前は知っている人が75%、実際にハローワークを活用した(行った、登録した)割合は、21%という結果に

地方企業は採用予算の問題から、有料の求人掲載となる民間の求人媒体を利用せずに、求人掲載無料のハローワークを使うケースが多くなっています。

また「新卒応援ハローワーク」は、求人を探すだけでなく、書類添削や面接対策などの支援も行っています。ぜひ活用されてみてはいかがでしょうか。

ハローワークの求人は全国ネットワークのため、日本国内のどこにいても希望地域の求人を確認できます。
新卒応援ハローワークはこちら

 

図9:ハローワークの利用状況

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LO活へのご意見・ご要望

最後に、フリーコメントでいただいた「LO活へのご意見・ご要望」から、いくつかご紹介します。

・転職活動がうまく進まず、落ち込んだ時、時折届くメールが励みになった

・学校のキャリアセンターも活用していたが、LO活は地方の就活事情に詳しいので助かった

・地方就職の動き方の方向性を示してもらった。コロナで学校に行けない中、面接練習をしてもらって助かった。

・コロナの影響で早い時期から地元に戻ったため、LO活でWEBでの模擬面接を受けることができ、落ち着いてのぞむことができた。

・LO活、新卒ハローワーク、自治体窓口と相談できる場所はすべて利用した。就活は一人ではないと思った。LO活では、何度も面接練習をしていただき、ありがたかった。

 

LO活では2020年度からオンラインでの面接対策を実施していましたので、ご利用いただいた方より、このようなコメントをいただきました。

上記のように、就活は一人で抱え込まずに、相談できる窓口を活用すると、世界が広がります。特に地方就職は、地方企業や自治体が発信している情報に接するまでにコツがあります。

LO活では学生に限らず、既卒の方にもご活用いただける様々な情報を、引き続き収集・発信していきます。ぜひ、周囲の地方就職を希望されているお友達にも教えてあげてください。

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