レポート

LO活 就職先決定調査アンケート 2023

2024卒および既卒者のLO活登録者に、アンケートを実施

LO活では毎年、卒業年度および既卒者の方に向けて、就職先決定調査アンケートを行っています。前年度の「地方就活」の状況が見えてきますので、地方就活を検討している方はぜひ参考にされてみてはいかがでしょうか。

2025卒の就活は「採用直結型インターンシップ解禁」に伴い、地方企業に関しても採用スケジュールの早期化が考えられます。ぜひLO活などの地方就活の専門的な情報を有するサービスを活用して、スムーズに地方就活を進めていただければと思います。

 

【LO活 就職先決定調査アンケート 2023】
・調査期間:2023/4/1~2024/3/15
・対象者:2024卒および既卒者(社会人)のLO活登録者
(*LO活は東京圏・大阪圏で活動しているため、回答者の大半が都市圏在住の方となっています)
・有効回答数:4,673名

 

 

年度末時点での決定状況について

2023年度のLO活アンケート調査では、最終的な内定率は新卒者が94%(昨年から1ポイント増加)、既卒者が84%(昨年から11ポイント増加)となりました。

昨年の既卒者に関しては、まだ新型コロナウイルスの影響が残っており、内定率は73%に留まっていました。しかし今年は、84%と昨年から11ポイントと大きく伸びています。新卒に関しても「売り手市場」と言われている通り、内定率は94%と高く、昨年よりも1ポイント上昇しました。

 

図1:新卒者および既卒者の内定率

*内定率|有効回答件数のうち、「就職・転職済」「内定あり(活動終了)」「内定あり(活動継続中)」の回答割合<br />
<br><br> *内定率|有効回答件数のうち、「就職・転職済」「内定あり(活動終了)」「内定あり(活動継続中)」の回答割合


就職先の勤務地について

では「地方就職」への意識は、どのようになっているのでしょうか。
「希望勤務地」と「実際の就職場所」を見てみましょう。

新卒者で「地方就職」を希望していた方は48%(昨年より6ポイント減少)でした。その中で、実際に地方で就職が決定した方は35%(昨年より1ポイント減少)となっています。新型コロナウイルス(以下、コロナ)の影響があった昨年・一昨年は、「地方就職」を希望していた新卒者が54%(2022年)・57%(2021年)で半数を超えていました。今年の48%は、コロナの影響を受ける前の2020年と同じ数値に戻った状況です。

既卒者は、どうでしょうか。
地方での就職希望者は31%(昨年より1ポイント増加)で、実際に地方に就職された方は30%(昨年より4ポイント減少)でした。新卒者は、希望者48%に対して実際に地方就職したのは35%で13ポイントの差がありますが、既卒者は1ポイント差となっています。既卒者は居住場所をしっかりイメージして地方就活をしているようです。

 

図2:出身地・居住地・希望勤務地・就業地(内定)の状況

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就職先の業種について

続いて、都市と地方における就職先の業種の違いについて調べてみましょう。
地方圏は都市圏に比べて、金融、メーカー(素材/化学/食品/その他)、公務員、小売が多くなっていることが分かります。対して東京圏はIT/通信系、大阪圏は建設/不動産系が目立ちます。

地方においては、都市圏よりも「素材/化学/食品/その他」のメーカーの割合が高くなっています。近年九州や北海道などの地方に、大型の半導体工場が建設されており、半導体関連産業の求人数は増加しています。半導体の素材関連企業においても、採用数を伸ばしているという報道もありました。また「食品メーカー」は、コロナ禍に外食需要が低迷したものの、現在は復活の傾向が見られます。そのような影響が表れているようにも見受けられます。

 

 

図3:就職決定先の業種

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地方で就職した理由・しなかった理由

では、地方就職者が「地方就職を選んだ理由」は、どこにあるのでしょうか。
「地元で暮らしていきたいため」が例年通り圧倒的多数で1位(40%)となり、昨年より3ポイント増加しています。

この数値は、コロナ禍の2021年に51%へ急増(2020年は35%)しました。しかしここ数年で50%を超えたのはその時だけで、例年の35~40%水準へ戻った形となっています。

また2位(12%)は昨年同様に「地元に貢献したいと考えて」で、昨年から4ポイント減少しています。3位(9%)は同率で、「生活のペースが自分にあっているため」・「実家から通える場所で働きたかったため」が並びました。昨年同率3位に入っていた「やりたい仕事や働きたい会社があったため」は5位(8%)へランクダウンしています。

一方、地方で就職しなかった理由は、「やりたい仕事や働きたい会社が(東京圏・大阪圏)にしかなかったため」と「採用された企業がとても気に入ったため」が同率1位(17%)となりました。昨年は、「やりたい仕事や働きたい会社が(東京圏・大阪圏)にしかなかったため」が、「採用された企業がとても気に入ったため」より1ポイント高く単独の1位でしたが、今年は同率の1位となりました。

ただ、両数値共に昨年から減少となっており、「やりたい仕事や働きたい会社が(東京圏・大阪圏)にしかなかったため」は昨年から2ポイント減少、「採用された企業がとても気に入ったため」は、昨年から1ポイントの減少となっています。

2位(10%)も同率で2つが並びます。「そもそも地方就職に強い意向がなかったため」は、昨年から1ポイント増加。「都会での生活が好きなため」は、2ポイントの増加となりました。地方で就職しなかった理由は、例年通りに「東京圏・大阪圏の仕事や生活等に魅力があった」という傾向が強く出た結果となっています。

 

図4:地方就職を決めた理由・地方就職をしなかった理由

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自由記入欄に記載された内容では、「地方だと企業数が少ないため」といった、地方での志望企業の見つけ方の難しさを懸念する声もありました。

一般的に地方では、民間の就活サイトのような有料の求人掲載を行う企業ばかりではなく、採用予算をかけずにハローワークなどを活用する企業も多数あります。また、出展費用が必要な就活サイト主催の就職イベントではなく、無料で参加できる自治体主催の就職イベントなどに出展するケースもあります。そのため都市圏と同じ就活手法だけでは、求人企業が少ないと感じるケースも多いようです。

その点LO活は、豊富なノウハウを蓄積してきているので、どのような情報にアプローチすべきかなど、地方就職を目指すみなさんに寄り添ったサポートが可能です。LO活サイトの「企業検索」で、地方企業について検索してみてください。
 企業検索はこちら

またLO活では、地方就活者に対する支援を行っている自治体の情報を掲載しています。地方就職による移住での奨学金返還免除をはじめ、知っていると有利な情報が多々あります。下記の「自治体別地方就活助成・支援制度」も、活用してみてください。
 自治体別地方就活助成・支援制度はこちら

 

今後の地方圏での就職意向

では、新卒で東京圏・大阪圏に就職を決めた方は、将来的に「地方就職」をどのように考えているのでしょうか。

新卒で東京圏へ就職を決めた方のうち37%(昨年から6ポイントの減少)が、将来的な地方圏での就職を考えている結果となりました。大阪圏へ就職を決めた方は32%(昨年から11ポイント減少)でした。

ここ数年、東京圏就職者の42~43%が「今後の地方圏就職意向」を示していましたが、今年は40%を割り込み、37%となっています。一方、大阪圏就職者の「今後の地方圏就職意向」は、30%程度に減少する傾向が続いています。

一般的に、世の中の経済状況が良好で有効求人倍率が高い時期には、地方就職希望者が減少する傾向がみられます。ここ最近は、株価上昇やコロナ後の有効求人倍率の上昇がありますので、そのような影響が出ているのではないかと推測されます。

 

図5:今後の地方圏就職意向

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就職に役立った支援(地方就職者への設問)

続いては、地方就職に対して「どのような支援を活用したか」を確認しましょう。

TOP3は例年通りの結果となりました。1位は「民間のウェブサイト・セミナー・イベント・個別相談」、2位が「学校内での地方就職関連のイベント」、3位が「LO活サイト(お知らせメール含む)」となっています。

あれば利用したかった支援内容も、例年同様に「交通費の補助」が多く、自由記述では「地方企業情報の充実(より詳細な情報を知りたい)」、「先輩体験談や選考対策の充実」などの回答が見られました。

地方就職関連のイベントは参加者のニーズが高いため、LO活では全国の道府県別の「セミナー・イベント情報」をサイト上に掲載しています。
 セミナー・イベント情報はこちら

また、あれば利用したかった支援「地方就活に対する自治体の交通費補助」については、下記に実施している自治体の情報が掲載されていますので、ぜひ活用してください。
 自治体別地方就活助成・支援制度はこちら

このような地方就職に関するおすすめ情報を受け取れるLO活の「お知らせメール」、「お役立ちメール」もぜひご活用ください。
 お申込みはこちら

 

 

図6:地方就活に役立った支援

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図7:あれば利用したかった支援(地方就職者のみの回答)

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内定先を知ったきっかけ

地方就職者は、どのように内定先の企業を見つけたのでしょうか。
東京圏・地方圏にかかわらず、「民間のサービス」をきっかけに企業を知るケースが最多となっています。また「地方自治体のウェブサイト、セミナー・イベントなど地方自治体が発信する情報」から内定先を知ったケースは、昨年から2ポイント減少の10%となりました。

地方就職を考える際には、「地方企業を知るきっかけ」を増やしていくことが大切です。
自治体主催の就職イベントは、民間の就活サイト主催の就職イベントでは出会えないような企業に出会うことができます。さらに地方自治体の中には、東京圏・大阪圏に相談窓口を設置している場合もありますので、このようなサービスを活用して地方企業と出会うチャンスを増やしてください。

LO活では、自治体が行っているセミナー・イベントの情報を随時掲載しています。
地元開催だけでなく、東京圏・大阪圏で行っているセミナー・イベントも掲載していますので、ぜひご活用ください。
 セミナー・イベント情報はこちら

 

図8:内定先を知ったきっかけ

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ハローワークの利用状況

地方企業が採用で活用することが多い「ハローワーク」の利用状況を見てみましょう。
「ハローワークに行ったことはないが名前は知っている人」が73%(昨年より2ポイント増加)、「実際にハローワークを活用した(行った、登録した)人」は23%(昨年より3ポイント減少)でした。

地方企業では、都市部の情報が集中した民間の有料求人媒体を利用せずに、管轄地域の求人が全国に無料で掲載できるハローワークを使うケースが多くなっています。そのため、民間の求人媒体よりも多くの企業が掲載されています。

また、「新卒応援ハローワーク」では新卒者や既卒3年以内の方を対象に、求人を探すだけでなく、書類添削や面接対策などの支援も行っていますので、活用してみてはいかがでしょうか。

ハローワークの求人は全国ネットワークのため、日本国内のどこにいても希望地域の求人を確認でき、オンラインでも利用できます。
 新卒者や既卒3年以内の方向けの「新卒応援ハローワーク」はこちら

 

図9:ハローワークの利用状況

LO活へのご意見・ご要望

最後に、フリーコメントでいただいた「LO活へのご意見・ご要望」から、いくつかご紹介します。

・LO活の方に相談して、自分の人生を考える上での視野を広げてもらいました。
・LO活の適性診断で自分の性格を分析できたため、今の職業に就くことができました。
・あの時救いの手を差しのべてくれたおかげで、内々定をいただいたと言っても過言ではありません。本当に感謝しています。
・面談や論文の添削等、就職活動のサポートをしてくださり、ありがとうございました。

地方就職では、「知っていると活動の幅が広がる手法」がたくさんあります。そのような手法を伝えた利用者の方からは、「いろいろな情報を提供してもらえた」、「早い段階でたくさんの情報を得られた」といった回答をいただいています。

2026卒は、「採用直結型インターンシップ」解禁の翌年となることから、就活スケジュールは早期化されると予想されています。そのため、地方企業でも就活スケジュールを早めるケースも出てくると考えられます。そのような地方企業の状況に関しては、「地方就職」を専門に扱っている私たちLO活にご相談ください。

LO活では学生に限らず、既卒者の方にもご活用いただける様々な情報を、引き続き収集・発信していきます。ぜひ、周囲の地方就職を希望されているお友達にも教えてあげてください。

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