岩野
「ツギテラス」は、女性目線のアイデアによる新しい提案や、従業員のモチベーションアップを目的とするチームで2016年に発足しました。
現在、私がリーダーとして「社内コミュニケーション」と「食育・健康」をテーマに活動しています。なかでも好評なのが、家族も参加できる食育イベント。野菜ソムリエの先生を招いて旬の野菜の食べ方を学んだり、発酵食品の講座で塩麹づくりを体験したり。イベントを通して、普段は見られない社員やご家族の一面を知ることで、職場での会話やつながりが広がっています。

竹内
メンバー全員で「整理収納アドバイザー」の資格を取得したこともあります。学んだ知識を社内講座で共有し、各部署で整理整頓を進めました。仕事の効率化にもつながりましたし、プライベートにも活かせる学びでした。

中島
「ツギテラス」の活動は、自分たちで企画を立てて実行する、いわば“小さなプロジェクト運営”のようなもの。普段の業務とは違う立場で会社を動かす経験ができたのは、大きな刺激になりました。部署を越えて話す機会も増え、「自分から働きかければ会社って変わるんだ」と実感しています。

岩野
きっかけは、毎年行われる社長面談でした。そこで私が「キャリアに対して漠然とした不安がある」と相談したところ話が動き出して。外部のキャリアコンサルタントの講師を迎え、４年前に新しく始まったのが「エンカレッジプログラム」です。最初から仕組みがあったわけではなく、竹内さん、中島さんに声をかけて、一期生として3人で立ち上げから関わりました。どう動けばいいかもわからない中で、講師の方のサポートを受けながら手探りで形にしていったという感覚です。

竹内
「一緒にやろう」と声をかけられたときは驚きました。でも、当時入社５年目で「もう新入社員気分じゃいられないな」と感じていた時期でもあって。だからこそ、会社がこうした機会をくれたのはありがたいなと思いましたね。

岩野
キャリアを積む＝責任が増える。その部分に特に不安がありました。けれど講師の方から「よく知らないまま苦手意識を持つのはもったいない。一度話を聞いてみよう」と背中を押され、社内の上司８人にインタビューを行いました。それぞれの考え方や姿勢に触れる中で視野が広がり、皆さんが私たちの挑戦をしっかり後押ししてくれたことが嬉しかったですね。

中島
「エンカレッジプログラム」では、「価値観ワークショップ」を開き、社員一人ひとりが“仕事で大切にしていること”を言葉にして共有しました。みんなの想いを知ることで、自分の働く意味がより明確になった気がします。現在は３期目となり、私たちは卒業しましたが、後輩たちが活動を引き継いでくれています。自分たちの取り組みが、次の世代につながっていくのを感じられるのは、本当に嬉しいことです。

竹内
女性社員の先輩方もいきいきと働いていて、男女関係なく力を発揮できるのが弊社の良さだと思います。入社して約10年。最近は外部の方と関わる仕事や、部門を越えた活動も増えてきました。これからもコミュニケーションを大切にしながら、チーム全体でより良い成果を生み出せるようにしていきたいです。

岩野
「ツギテラス」や「エンカレッジプログラム」での学びを、日々の業務にも還元していきたいですね。それぞれの経験を循環させながら、少しずつ視野を広げていけたらと思っています。どんな仕事でも“人とのつながり”があると思うので、これからもその中で成長できる自分でありたいです。

中島
「エンカレッジプログラム」の延長で、昨年「グッドキャリア企業アワード2024」に応募しました。応募の準備で通常業務に支障が出そうになったときも、上司が「全然それは調整するから、頑張って！」と背中を押してくれたんです。その結果、イノベーション賞を受賞することができました。挑戦を応援してくれるこの会社の風土に支えられながら、私自身も、これから入ってくる後輩にとって安心して頼ってもらえる先輩になりたいです。

原田
主に製造ラインの工程管理・人員調整・現場サポートを担当しています。弊社の製品である“継ぎ手”ではないですが、“ハブ役”として現場の声を拾い、上長や他部門へ橋渡しして解決に運ぶのが役目です。作業者一人ひとりの「やりにくい」を減らし、働きやすい環境をつくることを常に意識しています。「相談してよかった」「助かった」と言ってもらえる瞬間がいちばんのやりがいですね。気軽に相談してもらえる関係が増えるほど、現場は滑らかになりますから。

正津
機械加工の教育・指導全般を担当しています。新入社員の基礎教育から技能検定試験の伴走まで幅広く対応。トラブル時には現場へ急行して説明やサポートを行うこともあります。技能検定対策では、ときに“つきっきり”で指導するので、合格や上達の瞬間に立ち会えるのが最大のモチベーションです。

原田
当時はまだ世間的にも男性の育休取得が広まり始めたばかりで、社内でも私が最初の事例でした。最初は「どのくらい休むのが普通なのか」という相場感もなく、同社勤務の妻と相談しながら最小限から始めたのですが、2人目のときは日数を増やし、上の子のケアや家事まで実用的に使うことができました。休む時期を早めに共有し、周囲の協力を得ながら担当業務や日程を調整しました。申請や相談がしやすい雰囲気があって、とても心強かったです。今では育休を取ること自体が自然に受け入れられるようになってきたと感じます。

正津
原田さんをはじめ、職場で男性育休の事例が増えていたので、私の時には心理的ハードルはかなり低かったですね。私は1カ月間ほど育休を取得しました。妻の体調や家族のサポート期間を逆算して期間を決め、教育担当として年度の教育計画に育休時期を組み込みました。その間は研修を一時停止し、通常業務は周囲にお願いする形で進めました。先週も子どもが一週間寝込んでしまったのですが、そんなときも有休を使って柔軟に対応できる。こういった点は本当に助かっています。

原田
いちばんは“家族との時間をきちんと持てること”ですね。基本的に残業がなく、17時には退社、18時には自宅に着けるので、宿題を見たり、お風呂に入ったり、夕食を一緒に食べたりと、子どもと過ごす時間を大切にできます。また、妻（同社勤務）の働き方の変更にも柔軟に対応してもらいました。子どもの成長に合わせて勤務形態を見直したいという希望が通り、家庭のリズムに合った働き方が選べたのはありがたかったです。制度だけでなく、「遠慮せずに相談していい」という風土が根づいていることが、家族側の安心にもつながっていると感じます。

正津
家庭と仕事の両立がしやすく、自分がやりたいことがあれば任せてもらえる。そのような自由度の高さも、この会社の魅力だと思います。役立ちそうな教育関連の講義があれば、上長に相談して、受講させてもらうこともあります。こうした柔軟な環境があるからこそ、自分自身の成長を続けながら、関わる仲間のスキルアップにも全力で貢献していきたいです。

嶋津
私たちは「ものづくり改革室」に所属していて、現在４人のチームで動いています。AIやロボットを使って生産ラインの効率化や品質向上を進めるのが私たちの役割です。研究開発チームとして、現場の課題を技術で解決していく仕事で、新しい仕組みを作って成果が出たときは大きな達成感があります。先日、私たちが積み重ねてきた研究開発の結果が特許として形になりました。技術や努力が形になった瞬間はやっぱり特別にうれしいですね。

高津
主にAI関連の開発を担当してるのですが、新しい技術を現場に導入する際は、使う人の目線を大切にしています。というのも私たちは研究が好きなので、つい深く入り込みがちで。やりすぎてしまうと逆に使いづらくなることもある。深みにハマりすぎないことを意識し、定期的に現場を見に行くようにしています。研究そのものも楽しいですが、やっぱり自分の開発した仕組みが現場で役に立っていると実感できた瞬間がいちばんのやりがいですね。「使いやすくなった」「助かった」といった声をもらえると、人とのつながりを感じられて、達成感があります。

廖さん
今はロボットエンジニアとして、動作設計や導入後の調整を担当しています。知らないことも勉強して試して、少しずつできることが増えていくのが楽しいです。自分の成長と会社の成長を一緒に感じられるところに、やりがいがあります。

廖
一度、家庭の事情で退職したのですが、再入社したときにみんなが「おかえり」と温かく迎えてくれたのが本当にうれしかったです。以前と変わらない雰囲気で迎えられて、すぐに馴染むことができました。今はチームの一員として安心して働けています。困ったときは嶋津さんが懇切丁寧にアドバイスしてくださって、まるで家族のような温かさを感じます。

嶋津
そう言ってもらえるのは、本当にうれしいですね（笑）。「これをやってみたい」と声を上げれば、実際にやらせてもらえる環境があります。挑戦に前向きな空気があり、失敗を恐れずに試せる。お互いを信頼して任せ合える風土が、この会社の働きやすさを支えていると感じます。2017年に「ものづくり改革室」ができてからは、任された仕事をこなすだけでなく、「自分に何ができるか」「どう貢献できるか」を考えるようになりました。新しい技術をどう社内や社会に活かすか——そんな視点を持てるようになったのは、この環境のおかげです。

高津
お互いを支え合う文化があり、ストレスなく伸び伸びと自由に働けるのが、この会社のいちばんの魅力です。いまは会社のサポートを受けて、福井大学大学院でマネジメントを学んでいます。学費も会社が負担してくださっていて、仕事と勉強を両立できるのは本当にありがたいです。柔軟に挑戦を後押ししてくれる環境があることで、発想も広がり、新しい技術への探究心にもつながっています。

廖
自分でやりたいことを見つけて、どんどん取り組み、研究していくのがいちばん楽しいです。課題に向き合い、突き詰めていく過程そのものが好きで、まさにそういう仕事ができています。今後はロボットの能力を最大限に引き出し、テストと改善を重ねながら、より良いシステムを自分の手で作り上げていきたいです。多能工化や効率化を通して、会社全体の働きやすさを支えていきたいですね。

高津
これまで会社に蓄積されてきた技術やノウハウの中には、まだ形になっていないものも多くあります。それらを特許取得や製品化といった“形”に残していくことに挑戦し続けたいです。そして、自分たちが感じている自由に発想できる雰囲気や、新しいことに挑戦しやすい空気を、仕事を通じて会社全体に根づかせていけたらと思っています。

嶋津
研究開発の成果を社内外に発信し、会社のブランド価値向上につなげたいです。また、若手への技術伝承にも力を入れたいと思っています。技術だけでなく、ものづくりに向き合う“マインド”も一緒に伝えていけたらいいですね。