インタビュー

地方就活を振り返って~LO活卒業生インタビュー【5】

親しみがあった名古屋がより好きになった――愛知県へJターン就職

LO活を活用して地方就職を実現した「LO活卒業生」にお話を伺う本企画。今回は愛知県にある不動産会社「日建コーポレーション」に就職をした長幹太さんへ、リモート取材を行いました。石川県出身で幼い頃によく遊びに行っていたという愛知県へ、いわゆるJターン就職を決めた長さん。LO活相談員の原田さんとともに当時のエピソードを振り返りつつ、現在の愛知県での仕事ぶり&暮らしぶりについても伺いました。

 

【LO活卒業生プロフィール】

長 幹太さん
石川県出身。専修大学経済学部経済学科卒業。2020年4月に愛知県名古屋市に本社を構える「日建コーポレーション」に就職。営業としてビルや、空きテナントの仲介を主に担当している。元高校球児で中日ドラゴンズの大ファン。幼い頃よりナゴヤドームへ野球観戦によく行っていたことから、愛知県には馴染みがあったという。

 

【企業情報】

株式会社日建コーポレーション
住所:名古屋市中区上前津二丁目3番24号 常磐ビル1F

 

就職課に企業情報がないところから始まった地方就活

――石川県出身の長さんが、首都圏の大学へと入学した後に地方就職を目指した理由からお聞かせください。

 

長:地元は石川県で一度は都心で暮らしたいと思っていました。大学のキャンパスに近い神奈川県川崎市で一人暮らしをしていたのですが、4年間暮らしてみて都会での人の多さに窮屈さを感じるようになったんです。就職してその地で長く暮らすことを考えると、物価の高さや子育てのしづらさなど不便なこともあるだろうなと感じて、地方就活を考えるようになりました。

 

原田:地方就活では特に、就職をゴールと捉えず、その後の生活をイメージしておくことが大事です。勢いだけで地方へ就職してしまうと、生活環境が合わないために続かない…ということもありますから。長さんは、最初から就職先を名古屋と決めていましたね。

 

長:そうですね。幼い頃から野球が大好きでナゴヤドームへよく遊びに行っていました。名古屋の街の雰囲気にも馴染みがありましたし、東京ほど人が多くなく、私の地元ほど田舎でもない。交通の便も良く、生活もしやすいだろうなと思ったんです。

 

――いつ頃から愛知県への地方就活は始めたのでしょうか?

 

長:大学3年の秋頃ですね。大学の就職課で「愛知への就職を希望しています」と相談したのですが、当時は大学と愛知県が就職支援協定を結んでいなかったために愛知の企業情報がありませんでした。そこで紹介していただいたのがLO活のセミナーでした。

 

原田:初めてお会いしたのは長さんが大学3年の11月でした。その頃は「愛知へ就職をしたいんですが、情報がまったくなくて…」と少し焦っている様子でしたね。

 

長:あの頃、就職課に行くと「早く準備をしなさい!」と急かされていたんですよね。初めてLO活のセミナーに参加したのは11月…。「大丈夫なの?」と心配されるのではないかと臆していましたが、原田さんから「むしろこの時期に相談に来てくれてよかったです」と言ってもらえて安心しました。

 

原田:そんな風に思われてたんですね(笑)。私たちにとっては、皆さんと出会ってからがスタートだと思っているので、時期はあまり関係なくて。それよりも周囲の動向に焦ることなく、地方就活を進めてもらいたいという気持ちが大きいです。そういえば、長さんの卒業後、専修大学では愛知へ地方就職を希望する人が増えたこともあって、愛知県と就職支援協定を締結されたんですよ!

 

長:それは嬉しいですね。在学生にはどんどん活用してほしいです! 

 

 

――長さんの地方就活が後進に影響を与えたかもしれませんね。その後、地方就活はどのように進められたのですか?

 

長:原田さんに教えていただいた情報をもとに、まずは東京で開催されている地方就活のイベントに参加して情報収集をしました。原田さんがたくさんの情報を送ってくださるんですよ。こんなにもセミナーや説明会が東京で開催されていることを初めて知りました。

 

原田:お会いした後、電話で状況を教えてもらった時に、愛知へ就職したい思いの強さが伝わってきたんです。I・Jターンは希望する地域に知人がいないという方がほとんど。Uターンなどに比べると不利な点や、不安も大きいと思うので、I・Jターンを目指している方に対しては、特に気合いが入っちゃいます(笑)。

 

長:その後、同じく東京で開催されたUIJターン希望者向けのイベントで偶然、原田さんとお会いしましたよね。当時は企業研究を始めた頃で、「就職しても長く続かなかったらどうしよう」という相談をした気がします。

 

原田:覚えていますよ。「だったらもっと自己分析を深めてみては?」とお話して。長さんの場合は愛知で働きたいという思いは固まっていたので、自分にはどんな企業や職種が合っているのかを見定めていくことが必要だと感じました。

 

長:今思えば、愛知に就職したいと決めていたものの、なりたい自分の姿が思い描けてなかったから不安を感じていました。自己分析を深めていく中で“野球の経験(チームワークなど)が活かせる仕事”や“知識やスキルを学べる企業”など、自分らしく働く姿が徐々に想像できるようになっていきました。

 

――面接をはじめとした選考対策はどのように進めていきましたか?

 

長:愛知の企業説明会へ行くと「なんでわざわざ愛知に?」と必ず聞かれるんです。そこで「中日ドラゴンズの大ファンなので!」と自己PRをする気持ちは…グッと抑えて(笑)。

 

原田:抑えたんですね(笑)。

 

長:野球に興味がない人には響かないと思ったので、面接で野球の話題を振られたときにだけ話そうと決めていました(笑)。自己PRは、幼い頃に地元から名古屋に通う中で魅力に感じたことや、都心の人の多さが苦手なことも率直に伝えることを心がけました。それでも不採用通知が届いた時は落ち込むのですが、原田さんから「選考で正直に伝えることが大事。それで不採用だったら、仮に入社していても合わなかっただろうから行かなくて正解だよ」と言っていただいて。正直に伝えてダメだったら次に進もう、と気持ちを切り替えることができました。

 

原田:面接に失敗して自信を失ってしまうのは、長さんに限ったことではありません。一方、たとえ着飾って選考に通ったとしても、仕事が長く続けられるとは限りません。長さんは実直に書類選考にも面接にも臨んでいたので、いつかきっと自分に合う企業と出会えると思っていました。

 

――長さんが現在お勤めの『日建コーポコーション』は、どのような形で出会われたのですか?

 

原田:希望する企業や業種の形が見えてきた段階で、私から名古屋の企業情報に詳しい東京にある愛知就職相談窓口を紹介して、具体的な企業探しはそこでお世話になったのですよね。

 

長:そこで紹介していただいたのが、名古屋に1泊2日で滞在し、気になった企業を選んで就職相談ができる企業説明会でした。この説明会は交通費が支給されるということで、参加を即決しました。東京で開催される説明会とは違い、実際に会社を訪れることができたので、それぞれの社風を体感できたことは大きな収穫でした。

 

原田:実際に現地に足を運んでみないと、わからないことってたくさんありますからね。

 

長:その説明会で出会ったのが『日建コーポレーション』でした。不動産業は働きながら愛知の土地や風土に詳しくなれますし、資格取得を目指しながらキャリアアップが踏めるので、自分に合っていると感じました。

 

原田:実際に就職してみていかがでしたか?

 

長:地元社員が多く、とても温かい社風です。「名古屋が好きで、長く住みたいです」と話すと、親身になってくれる上司や先輩ばかりで。営業先のお客さまにも名古屋のいろはを教えていただいているんです。

 

原田:長さんが自分に合う就職先と出会えて私も嬉しいです。イベントなどで名古屋へ行く機会があったら、またお会いしたいですね。

 

長:ぜひ! 名古屋の街をご案内できるようにしておきます!

 

 

不動産業ならではのやりがい・楽しさを感じる日々

――続いて、名古屋へ就職して1年目の長さんに、今の仕事や暮らしについて伺います。まずは『日建コーポレーション』でのお仕事内容を具体的に教えて下さい。

 

長:不動産の仲介業務をはじめとした営業を担当しています。ビルや空きテナントを持っているオーナーと、出店希望者をつなぐお仕事ですね。入社当初は土地勘がなかったのですが、今では電車の路線図なども覚え、いくつか契約を取ることもできました。自分の関わった物件が出店準備をしているという進捗を聞くと、地域活性に貢献ができているという実感も少しずつ出てきました。

 

 

――就職して1年目、印象的なお仕事のエピソードはありますか?

 

長:美容師さんからテナントを探しているというご相談を受けた時のこと。条件に沿うテナントをいくつかご紹介したのですが、選ばれたのは随分と年季の入った古民家でした。やや心配でしたが、後に美容師さんによってリノベーションされた物件を見に行ったら、とてもおしゃれなお店に変貌していて。オーナーさんにも美容師さんにも感謝していただけたことが忘れられません。仲介業ではこんなにも楽しい化学反応が起こせるんだと私自身も感動しました。

 

――充実した仕事ぶりが伺えますね。最後に、念願の愛知県の暮らしはいかがでしょうか?

 

長:不動産業という仕事柄、市内の地理にも詳しくなり、美味しいお店もたくさん知りましたし、名古屋がますます好きになりました。何より、休日にナゴヤドームに足を運びプロ野球観戦でリフレッシュできるのが最大の魅力ですね(笑)。

 

 

一人で就活をしていたら、たくさんの選択肢や可能性に気づかなかったかもしれない

――最後にこれから地方就職を志す皆さんへ、アドバイスなどあれば教えて下さい。

 

長:僕の通っていた大学では、当時はまだ希望する愛知県への就職情報がほとんどない状況だったので、情報収集には大変苦労しました。就活を始めたばかりで、行きたい地域の情報が少ないなと思っている人は、僕と同じくLO活の個別相談を頼ってみると良いと思います。就活情報のほかにもLO活の相談員さんは、多くの学生を見てきた経験をお持ちなので、的確なアドバイスをくださったり「ここに相談してみるといいよ」と別の窓口の方をつなげてくださったり、幅広い選択肢を提案してくれます。

 

もし原田さんと出会わず、一人で就活を続けていたら、その沢山の選択肢や可能性に気づかなかったかもしれません。悩みや不安は自分一人で抱え込まず、頼れる周囲の人に相談する。当たり前のことですが、その大切さを知った就活だったと思います。

社会に出た後もきっと役に立つ「相談する力」

「頼れる周囲の人に相談することの大切さを知った」と語ってくれた長さん。社会人になった現在も、問題は一人で抱え込まず、上司や先輩に相談することを意識しているそうです。

 

自分の足りない点を周囲から学び、その知恵と力を借りて成長していく。こうした「相談する力」は、社会人として働く上でも大切なスキルです。長さんの場合、相談員の原田さんとのやりとりの中で、自然とその力を磨かれていったような気がします。

 

多くの人が“初めて”の就活です。詳しい人に頼ることはとても自然なこと。悩みや不安を一人で抱えることなく、ひとつ「相談する力」を養う機会として、LO活 個別相談を利用してみてはいかがでしょう。その経験は社会人になってもきっと役に立つはずです。

 

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※この記事に掲載されている情報は、2021年2月にサイトに公開した時点での情報です。