地方ビジネス最前線
第1回
2016.11.20(日)

地方だからできる新規事業の可能性~ヤンキーの虎と若手起業家

現在、地方経済では新たな存在が注目を集めています。
2016年には、地方で多様な事業を経営してミニコングロマリットを形成する経営者に注目した「ヤンキーの虎」という著書が出版されましたが、その著者であるファンドマネージャーの藤野英人さん、著書にも登場する自動車整備業を軸にすさまじい成長を遂げる虎社長の代表として㈱ファーストグループの藤堂 高明さん、秋田の五城目町を拠点に起業家を育ててるハバタク㈱の丑田 俊輔さんをお招きして新たな地方ビジネスについて語っていただきました。

冒頭、藤野さんからの「なぜ暮らしやすさは地方が勝るのに、東京への人口集中が止まらないのか。それは人がワクワクを求めて生きる場所を選択するからだ」という投げかけがありました。
「地方にはワクワクがないのか?」というテーマに対し、そんなことはないと、続く藤堂さんが今の時代の地方だからこそ意欲さえあればビジネスを面白いように展開できること、丑田さんが秋田の過疎地域で次々と面白いビジネスが生まれている様子をお二方それぞれの事業での経験をもとに語ってくださいました。

会場には、自身も地方の会社を継ぐ予定の方や、地方のビジネスの可能性に関心を持つ方が多く参加し、ゲストの躍動感あふれるお話しに熱心に聞き入っていました。

レオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者
藤野 英人
1966年、富山県生まれ。早稲田大学法学部卒業。野村證券系、JPモルガン系、ゴールドマン・サックス系の投資運用会社を経て、2003年レオス・キャピタルワークスを創業。中小型・成長株の運用経験が長く、ファンドマネジャーとして豊富なキャリアを持つ。運用する「ひふみ投信」は4年連続R&I優秀ファンド賞を受賞。JPXアカデミー・フェロー、明治大学商学部兼任講師も務める。著書に『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『ヤンキーの虎-新・ジモト経済の支配者たち』(東洋経済新報社)など多数。
株式会社ファーストグループ 代表取締役
藤堂 高明
奈良県出身。大学卒業後大手通信会社に就職、2003年3月に帰郷し、1960年創業の家業である株式会社ファーストグループ(旧社名:天理興業株式会社)に入社する。
先代の他界により事業承継を行い、毎年7千万の赤字で倒産寸前であった会社を様々な取組みで再建し、10 年で年商が 10 倍になり黒字に好転。
さらに飛躍するため奈良県を中心に大阪や東京、埼玉、千葉で M&A や事業承継を行い、事業を拡大して 12 年で年商 20 倍を実現させた。
そのノウハウを自動車整備業界に広めるために月刊ボデーショップレポート(発行:株式会社プロトリオス)にてコラムを執筆したり、新たな自動車整備業界の勉強会組織であるカー・アライアンス・メンバー・プログラム(CAMP)を設立し、同社の事業拡大ノウハウを公開・共有している。
ハバタク株式会社 代表取締役
丑田 俊輔
1984年生まれ、東京育ち。大学在学中、プラットフォームサービス株式会社の立ち上げ期に参画。東京都千代田区の公共施設を民間企業として借り受け、ベンチャー企業やNPOのシェアオフィス・ビジネス拠点として再生する現場を経験。卒業後、IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社(現、日本IBM)にて、コンサルタントとしてグローバル戦略を担当。
2010年にハバタク株式会社を創業。全国の高校・大学を中心に、海外渡航型研修やアントレプレナーシップ教育、ICTを活用した英語学習プログラム「ネイティブ脳」を展開している。海外は米国・ベトナム・英国・フィリピンに拠点。
2014年4月、秋田県五城目町に移住。町内の小学校廃校に事業所を開設し、田舎発の起業家=土着ベンチャー(ドチャベン)/農耕型スタートアップ創出や、様々な教育事業を進めている。2015年、秋田の起業家・農家と共に、町内の茅葺古民家を発端にネットワーク型の村をつくる「シェアビレッジ・プロジェクト」を開始。