LO活 就職先決定調査アンケート 2021
2022卒および既卒者のLO活登録者に、アンケートを実施
LO活では毎年、卒業年度および既卒者の方に向けて、就職先決定調査アンケートを行っています。
前年度の「地方就活」の状況が見えてきますので、地方就活を検討している方はぜひ参考にされてみてはいかがでしょうか。
【LO活 就職先決定調査アンケート 2021】
・調査期間:2021/4/1~2022/3/15
・対象者:2022卒および既卒者(社会人)のLO活登録者*
(*LO活は東京圏・大阪圏で活動しているため、回答者の大半が都市圏在住の方となっています。)
・有効回答数:4,578名
年度末時点での決定状況について
2021年度のLO活アンケート調査によると、最終的な内定率は新卒者が91%で昨年から2ポイント減少、既卒者が76%で昨年と同様でした。
ただ内定率は、コロナ前の水準には届いていません。
コロナ前の2019年度の調査では、新卒者(2020年卒)の内定率は94%、既卒者が81%だったので、今年度は新卒者で3ポイント、既卒者では5ポイントの減少となっています。コロナ禍で企業業績が復活していないという側面もあるためか、依然厳しい状況が続いていることがうかがえます。
図1:新卒者および既卒者の内定率
就職先の勤務地について
では、「地方就職」の状況は、どうだったのでしょうか。
就職先の勤務地について見てみましょう。
新卒者の中で「地方就職」を希望していた方は57%でした。
昨年度より9ポイント上昇となり、地方就職希望者が増加していることが分かります。
では実際にどれくらいの方が、地方企業に就職したのでしょうか。
地方で就職が決定した方は43%で、昨年より6ポイント上昇しました。
既卒者は、どうでしょうか。
地方で就職を希望されていた方は34%で、昨年度より4ポイントの減少となります。そして実際に地方に就職された方は33%となっており、地方就職希望者はほとんど希望通りに地方に就職していることが分かります。
図2:出身地・居住地・希望勤務地・就業地(内定)の状況
就職先の業種について
都市と地方では、就職先の業種にどのような違いがあるのでしょうか。
地方圏での就職先決定者は都市圏での決定者に比べて、公務員、金融、小売、メーカー(機械/電気)が多くなっていることがわかります。対して東京圏は、IT/通信系が多いことが目立ちます。
昨年度と比較すると、小売の地方圏での決定率は3ポイントの上昇となっており、都市圏でのコロナ禍の影響により、小売希望者が地方を選んだという可能性も見受けられます。
図3:就職決定先の業種
地方で就職した理由・しなかった理由
では、地方に就職した方は、どのような理由で「地方就職」を選んだのでしょうか。
「地方就職」を決めた理由は、「地元で暮らしていきたいため」が圧倒的多数で1位(51%)となりました。また2位(19%)は「地元に貢献したいと考えて」で、3位(14%)は「生活のペースが自分にあっているため」と「実家から通える場所で働きたかったため」が続きます。Uターンして「地元に貢献したい」「自分にあった暮らしがしたい」という意識が、垣間見えます。この上位の順位は、例年と変わらない傾向です。
一方、地方で就職しなかった理由は、「採用された企業がとても気に入ったため」が1位(32%)で、「やりたい仕事や働きたい会社が(東京圏・大阪圏)にしかなかったため」が2位(23%)となっています。
この1位と2位は昨年と順位が入れ替わっており、「やりたい仕事や働きたい会社が(東京圏・大阪圏)にしかなかったため」は2位に転落しています。
都市圏で「採用された企業が気に入った」という傾向は依然強い中でも、「やりたい仕事や働きたい会社が地方にはない」という意識は、少し軽減しているようにも見受けられます。
3位~4位は、「地方」への意識が高くなかったケースで、「都会での生活が好きなため」「そもそも地方就職に強い意向がなかったため」が続きます。ここは例年通りです。
また、「東京圏・大阪圏の方が給与等の労働条件が良かったため」が5位に入っており、それほど上位ではないものの「東京圏・大阪圏の高い労働条件」が、地方を選ばなかった理由としてあがっています。
昨年同様に、「新型コロナウイルス感染拡大の影響があったため」という意見も見受けられました。
図4:地方就職を決めた理由(右)・地方就職をしなかった理由(左)
地方で就職しなかった理由の11位には、「地方圏の就職活動をするのに、移動の時間や費用がネックになったため」という意見もありました。オンライン面接を取り入れている企業も増えてきていますが、地方就職では費用の問題も見受けられます。
全国の自治体の中には、地方就職希望者へ、面接などの就職活動にかかる交通費の支援をしている場合もあります。そのような制度を活用することで、金銭的な理由で地方での就職を諦めることなく、ご自身の希望に沿った就活をしていただきたいと思います。
LO活では、地方就活者に対する支援を行っている自治体の情報を掲載しています。
地方就活助成・支援制度一覧はこちら
今後の地方圏での就職意向
では、新卒で東京圏・大阪圏で就職を決めた方は、将来的に「地方就職」をどのように考えているのでしょうか。
新卒で東京圏へ就職を決めた人のうち42%(昨年から1ポイントの減少)、大阪圏へ就職を決めた人のうち33%(昨年から9ポイント減少)が、将来的には地方圏での就職を考えている結果となりました。
東京圏・大阪圏で就職したものの、いつかは地方で就職したいと思っている方が一定数いることが分かります。都市圏の企業で学んだことを、将来的に地元で活かしたいと考える方もいるのかもしれません。
図5:今後の地方圏就職意向
就職に役立った支援(地方就職者への設問)
続いては、地方就職に対して「どのような支援を活用したか」を確認しましょう。
地方就職者の多くは例年通りに、地方・都市部・学校等で行われる地方就職関連のイベントが就活に役立ったと回答しています。あれば利用したかった支援内容は、こちらも例年同様に交通費の補助が多く、都道府県別の魅力的な企業の紹介サービスを求める声もあがっていました。
そのためLO活では、全国の道府県別のセミナー・イベント情報を掲載しています。
こちらを随時確認して、希望エリアのセミナー・イベントを見つけたらご参加ください。
https://local-syukatsu.mhlw.go.jp/seminar/
また、あれば利用したかった支援「地方就活に対する自治体の交通費補助」については、下記に実施している自治体の情報が掲載されていますので、ぜひ活用してください。
https://local-syukatsu.mhlw.go.jp/support/?place=&type=sp_type_02&result=true
このような地方就職に関するおすすめ情報を受け取れる「LO活のお知らせメール」もぜひご活用ください。
お申込みはこちらから
図6:地方就活に役立った支援
図7:あれば利用したかった支援(地方就職者のみの回答)
内定先を知ったきっかけ
地方就職者は、どのように内定先の企業を見つけたのでしょうか。
東京圏・地方圏にかかわらず、民間のサービスをきっかけに企業を知るケースが最多です。また地方圏での就職活動では、地方自治体のウェブサイト、セミナー・イベントなど地方自治体が発信する情報から内定先を知ったケースが、学校のキャリアセンターと同率の4位となりました。
昨年の調査と比較すると、地方就職での「学校のキャリアセンターで就職先企業を知った割合」が、2ポイント減少しています。
地方就職を考える際には、「地方企業を知るきっかけ」を増やしていくことが大切です。地方自治体の中には、東京圏・大阪圏に相談窓口を設置している場合も多くありますし、東京圏・大阪圏で開催される自治体主催の就活イベントなども数多くありますので、このようなサービスを活用して地方企業との出会うチャンスを増やしていきましょう。
LO活では、自治体が行っているセミナー・イベントの情報を随時掲載しています。
自治体の地元で開催するイベントも、東京圏・大阪圏で行っているものも掲載しています。
オンライン開催も多数ありますので、ぜひ活用してみてください。
図8:内定先を知ったきっかけ
ハローワークの利用状況
地方企業が採用で活用する「ハローワーク」の利用状況を見てみましょう。
ハローワークに行ったことはないが名前は知っている人が72%、実際にハローワークを活用した(行った、登録した)人は25%でした。実際にハローワークを活用した人の割合は、昨年から4ポイント上昇しました。
地方企業では、都市部の情報に集中した民間の有料求人媒体を利用せずに、管轄地域の求人情報が全国掲載無料のハローワークを使うケースが多くなっています。そのため、民間の求人媒体よりも多くの企業が掲載されているのです。
また、「新卒応援ハローワーク」では新卒者や既卒3年以内の方を対象に、書類添削や面接対策などの支援も行っていますので、活用してみてはいかがでしょうか。
ハローワークの求人は全国ネットワークのため、日本国内のどこにいても希望地域の求人を確認でき、オンラインでも利用できます。
新卒者や既卒3年以内の方向けの「新卒応援ハローワーク」はこちら
図9:ハローワークの利用状況
LO活へのご意見・ご要望
最後に、フリーコメントでいただいた「LO活へのご意見・ご要望」から、いくつかご紹介します。
・最初の頃、就活でつまずいてしまったときに、話を聞いてアドバイスをくれたことにすごく感謝しています。
・定期的にメールや情報をくれて助かりました。地方への就職の気持ちが薄れてきたときに連絡いただき地方就職に前向きになれて、すごく励みになりました。
・自治体とは異なる中立的な立場でのアドバイスをいただけて参考になりました。
・地方へ就職するという選択肢を持つ友人が少なかったので、LO活の活動がもっと広まり地方に就職するという選択肢を増やしてほしいです。
上記のように、就活は一人で抱え込まずに、情報の入手経路を増やしたり、相談できる窓口を活用したりすると、世界が広がります。特に地方就職は、地方企業や自治体が発信している情報に接するまでにコツがあります。
LO活では学生に限らず、既卒者の方にもご活用いただける様々な情報を、引き続き収集・発信していきます。ぜひ、周囲の地方就職を希望されているお友達にも教えてあげてください。
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