「ホワイト企業」ってどんな会社?
特徴から見分け方まで、教えます
「大学3年生になったら、就活を始めよう」と考えているみなさん、今、どんな企業への就職を想像していますか?
社会人になると、一日の多くの時間を仕事に費やすことになります。また自分で稼いだお金で生活費をやりくりする必要も。だからこそ仕事内容だけではなく、働きやすさ・福利厚生などもきちんとチェックしたいところです。
そんな諸条件が整っている企業の代名詞的に使われる言葉が「ホワイト企業」。できれば就活中に、ホワイト企業に出会いたいですよね。
そもそもホワイト企業って、みなさんはどういう企業のことをイメージしていますか? この記事では、その特徴から見分け方までをご紹介します。
ホワイト企業とは?
まず、一般的に「ホワイト企業」と聞いて多くの人が連想するのは、どんな企業なのでしょう。
株式会社AlbaLinkは、現在仕事をしている自社の男女職員507人(男性255人、女性252人)を対象に「ホワイト企業だと思う職場の特徴」について調査しました。すると、以下のような結果に。
「ニッセイ基礎研究所|ホワイト企業とは?-その定義と特徴について- 」より
「休みが多い・休みやすい」、「残業なし・少なめ」、「ワークライフバランスがとれる」など、労働時間に関係するものが多く挙げられています。また「残業代がきちんと支払われる」、「満足できる給与がもらえる」といった給与に関するものや、さらに「人間関係がよくハラスメントがない」、「コンプライアンス意識が高い」など、ともに働く人との関係性や職場の雰囲気・社内コミュニケーションに関する項目もありました。
結果を踏まえると、
1. 労働時間が妥当で、休暇が取りやすい
2. 給与や残業代に納得感がある、福利厚生制度が充実している
3. 人間関係がよい、良識ある職場の雰囲気
上記3点が、多くの人がイメージする「ホワイト企業」の特徴と言えそうです。
ホワイト企業に勤めたい学生は多い?
次に、ホワイト企業に勤めたいと考えている学生は、どのくらいいるのでしょうか。内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」から見ていきます。
「令和5年度 学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書(22p)」より
先にホワイト企業の特徴として挙げた3点に該当する項目は、以下の通り。
「給与や賞与が高い/手当や社会保障が充実」(57.1%)
「職場の雰囲気が良さそう」(49.8%)
「残業が少なく、休暇が取れるなどのワークライフバランス」(49.4%)
調査結果(上記)にある濃い青色で示されたトップ5のうち、3つの項目を占めていることが分かります。いずれも約半数の学生が答えており、ホワイト企業を選びたいと思うのは、多くの学生が願うものでもあるようですね。
「ホワイト企業ランキング」や「ホワイト企業マーク」に注目してみよう
ではいよいよ、「ホワイト企業」の見分け方を見ていきましょう。ここで紹介するのは、「ホワイト企業ランキング」や「ホワイト企業マーク」に注目する方法です。
■ ホワイト企業ランキング」とは?
非営利一般社団法人 安全衛生優良企業マーク推進機構(SHEM)「ホワイト企業ランキング TOP100 2024年8月版」より
「ホワイト企業ランキング」とは、非営利一般社団法人 安全衛生優良企業マーク推進機構(SHEM)が、年に何度か発表しているランキングです。企業が取得する「ホワイト企業マーク」の数を指針に、企業のホワイト度をトップ100までランク付けしています。
ランキングを見てみると、静岡県富士市「社会福祉法人美芳会」や、山形県酒田市「株式会社東洋開発」、栃木県栃木市「ケーブルテレビ株式会社」など、地方企業が上位を占めているようですね。
■ ホワイト企業マークは、全部で5種類
SHEMが取得サポートを行う「ホワイト企業マーク」は、以下の5種類。それぞれ紹介していきます。
【1】ホワイトマーク
ホワイトマークは、「労働者の安全や健康」に関して、高い水準を維持・改善していることが、厚生労働省から認められた企業が取得できるマークです。
労働者の安全・健康(労働安全衛生)には、例えば、業務が原因で起こるケガや病気、死亡、あるいは過労死や、メンタルヘルス不調への対応などが当たります。このマークを取得する企業は、過去3年間、労働安全衛生関連の重大な法違反がなく、健康増進やメンタルヘルスケア、過重労働防止対策などに、積極的に取り組んでいます。
ホワイト企業マークの中で最も認定基準が厳しいこともあり、かなり信頼の高いマークのひとつです。
【2】健康経営優良法人
健康経営優良法人は、経済産業省が推進する「健康経営」という考え方に基づいた実践の功績を認められた企業が取得できるマークです。「健康経営」とは、企業で働く人たちの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること。このマークを持っているということは、定期検診やストレスチェック、食生活の改善、運動機会の増進への対応、それらへの投資が認められた企業だといえます。
法人の規模によって色分けがされ、上位層には「ホワイト/ブライト500」という文言がついています。また2024年には、中規模の法人のうち、新たに上位501から1500位を認定する「ネクストブライト1000」も新設されました。
【3】ユースエール認定
ユースエール認定は、若手の採用・育成に力を入れ、若手が働きやすい環境を企業内に育んでいることを、厚生労働大臣から認められた中小企業が掲げるマークです。
「若手の離職率が低い」「残業時間が少ない」「休暇を取りやすい」「子育てがしやすい」ことも評価対象になっています。
【4】くるみん/プラチナくるみん/トライくるみん認定
くるみん認定は、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証となるマークです。より高い水準の要件を満たしている企業は「プラチナくるみん認定」を受けています。2022年から、くるみん・プラチナくるみん認定の設定基準が引き上げられたことに伴い、従来の基準で認定される「トライくるみん認定」という制度ができました。
チェックポイントには、働く男性の育児休業等取得率が10%以上であることや、就学前の子どもを育てる社員の時短勤務に応じているかなどがあります。働きながら子育てをしたいと考える人は、ぜひ押さえておきたいところです。
【5】えるぼし/プラチナえるぼし認定
えるぼし認定は、「女性の採用や活躍を積極的に推進する企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証となります。より高い水準の要件を満たしている企業は「プラチナえるぼし認定」を受けています。
管理職に占める女性の割合が、産業ごとの平均値以上であることや、非正社員から正社員へ転換した女性の有無などがチェックポイント。昇進等にも絡んだポイントもあるので、バリバリ働きたい女性なら、ぜひ確認しておきたいマークですね。
気になる企業の取得マークも見てみよう!
以上、5つのマークを紹介しました。
ホワイト企業ランキング(100社掲載)から興味のある企業を探すもよし、自分が気になる企業が取得しているホワイト企業マークを逆に調べるもよし。面接時に、取得マークについて尋ねてみるのもいいかもしれません。
自分にあったホワイト企業を見つける判断基準のひとつとして、ぜひ活用してみてください!
※この記事に掲載されている情報は、2024年11月にサイトに公開した時点での情報です。