地方就活支援

就職フェア、しごとフェアのメリットは?
最大限活用するための事前準備・心構えも紹介!

就職活動や転職活動をしていると、「就職フェア」「しごとフェア」といったイベントを見かけることがあるかと思います。
多くの企業と接点を持てるチャンスがあるこれらのフェアですが、実際は「行っただけで満足してしまう」「準備不足で機会を生かしきれない」という人が意外に多いのです。
この記事では、就職フェア・しごとフェアの基本的な仕組みから、参加するメリット、当日までにやっておきたい準備と心構えを詳しく紹介します。
「なんとなく行ってみよう」から一歩進んで、「行ってよかった!」と感じられる、攻めのイベント参加に変えていきましょう!

就職フェア、しごとフェアとは?

就職フェアやしごとフェアとは、複数の企業が集まり、求職者に向けて会社の紹介や採用情報を発信する合同説明会のことです。
会場では、企業ごとに設けられたブースを自由に回る形式が一般的で、気になる企業の担当者から直接話を聞いたり、資料を受け取ったりできます。

主催者は、フェアによってさまざまです。
自治体や商工会議所が地元雇用の活性化を目的に開催する場合もあれば、人材紹介会社や転職エージェントなどの民間企業が主催することもあります。

こうしたフェアは、開催のテーマや目的によって大きく「業界軸」と「地域軸」の2つに分けることができます。
それぞれどんな違いがあるか、参加のメリットは何か、詳しく見ていきましょう。

 

 

★業界軸のフェア

一つ目は、特定の業界に特化した「業界軸のフェア」です。
例えば「農業」「漁業」「保育」「IT」「観光」といったイベントのテーマが決められており、その分野に関連する企業が出展しています。
特徴として、同業界の複数企業が出展するため、業界全体の雰囲気や動向をまとめて知ることができます。
また、業界理解を深めるための講演会やパネルディスカッション、資料展示コーナーが併設されている場合もあります。
個別の企業説明だけでなく、その業界における「将来性」「求められるスキル」「キャリアパス」を知る機会にもなるでしょう。

「どんな業界が自分に合うかまだ分からない」という人にも、業界軸のフェアはお勧めです。
興味のある分野を中心に情報を集め、比較することで、自分自身の軸を考えるヒントが得られます。

 

★地域軸のフェア

もう一つのタイプが、「地域軸のフェア」です。
県や市などの自治体が主催し、地域に根ざした企業が多数出展します。
地域軸のフェアでは、「地元×業界」のようにテーマを掛け合わせて開催されることもよくあります。
例えば、「北海道×観光業」「愛媛×製造業」のような形で、地域の特色と産業を結びつけたフェアは、特定地域の産業構造を理解することにも役立ちます。
地方に興味がある人や、Uターン・Iターン就職を考えている人にとっては、地元企業のリアルな情報を得られるチャンスです。

各地のフェア情報は、LO活サイトのセミナー・イベント情報で都道府県別に検索できます。(https://local-syukatsu.mhlw.go.jp/seminar/
さまざまなイベント情報が日々更新されていますので、定期的なチェックがオススメです。

 

 

就職フェア、しごとフェアに参加するメリット

就職フェアやしごとフェアに参加するメリットは数多くあります。
ここでは代表的な5つのメリットを紹介します。

 

1.多くの企業が参加しているため、比較がしやすい

規模の大きいフェアでは、一つの会場に百社近い企業が集まることもあります。
そのため、短時間で多くの企業を見比べることができるのが大きな魅力です。
パンフレットやWebサイトだけでは分からない「社風」「働く人の印象」「現場の雰囲気」といった感覚的な情報も、出展企業間で比較しやすいメリットがあります。

 

2.業界や地域の企業の傾向を捉えやすい 

同じ業界や地域の企業を見比べてみることで、どんな人を採用したいのか、力を入れている部分はどこか、といった傾向が見えてきます。
例えば「IT業界では未経験者向け研修を充実させている企業が多い」「地方製造業では若手育成に力を入れている」など、業界・地域全体の方向性を理解できるようになります。

 

3.企の担当者に直接質問ができる

フェアの最大の特徴は、企業の採用担当者と直接話せることです。
選考前の段階で疑問を解消できることはもちろん、各企業ブースには採用担当者がいることも多いので、「積極的で好印象だった」と印象に残り、評価されるケースもあります。
Web上では得られない“生の声”を聞ける貴重な機会として、積極的に質問してみましょう。

 

4.選考を短縮できることがある 

一部のフェアでは、「エントリーシート提出」「その場で一次面接」など、選考を兼ねている場合もあります。
事前に履歴書やエントリーシートを用意しておけば、その場で応募・面談ができる場合もあり、選考がスピーディーに進む可能性があります。
興味がある会社が出展している場合はぜひ活用してみましょう。

 

就職・転職活動に役立つセミナーが開催されることがある 

会場内で、キャリアアドバイザーによる講演や、自己分析・面接対策セミナーが行われることもあります。
就職活動・転職活動は、企業研究だけでなく、自己分析や、自分の経験をどうアピールするかも重要になってきますので、参加してみるのもいいでしょう。
フェアによっては事前に申し込みが必要となる場合もあります。
予約の有無や時間帯をあらかじめ確認しておくことで、有効に活用できます。

 

事前準備と心構え

フェアを有意義にするためには、当日行き当たりばったりではなく、事前準備と目的意識が欠かせません。
ここでは、参加前に押さえておきたい4つのポイントを紹介します。

 

目的を決めよう

まずは、「なぜフェアに行くのか」を明確にしておきましょう。
例えば、業界や職種の選択肢を広げたいのか(浅く広く情報収集)、志望企業を絞り込みたいのか(深く狭く比較)、といった目的によって、当日の行動は大きく変わります。

広く情報を集めたいなら、ブースをテンポよく回って多くの企業を見比べるのが効果的です。
一方で、志望企業を絞り込みたい場合は、少数のブースに時間をかけ、担当者との会話を通して社風や価値観を深掘りしていきましょう。

 

計画を立てよう 

多くの企業が出展するフェアでは、限られた時間をどう使うかがカギになります。
事前に出展企業リストをチェックし、優先順位をつけて回る順番を決めておくのがお勧めです。
人気企業のブースは混雑することもあるため、早めに訪れる工夫も大切です。
また、セミナーの時間や面談予約の有無も確認しておくと、当日の移動がスムーズになります。
「できるだけ多くの企業を見よう」と欲張るのではなく、自分の目的と照らし合わせて、見るべき企業を絞って参加する方が、満足度の高い一日になるでしょう。

 

仮説と質問を考え

フェアは、企業の「中の人」と直接話せるチャンスです。そのチャンスを生かすためのコツが、「仮説」と「質問」です。

仮説とは「自分なりの予想や考え」のことです。
例えば「この業界では、安定性よりもチャレンジ精神を重視している企業が多いのでは?」「この会社は海外展開をしているから、柔軟性を求めているのでは?」のように、事前にWebサイトやニュースを見ながら自分なりの前提(=仮説)を持って、それを確認する質問を考えてみましょう。

企業側から提供される情報を受け身で聞くだけでなく、主体的に情報を取りに行くことで、Webを見るだけでは分からない情報や、自分自身にとってより価値の高い情報を得ることができます。

 

持ち物をチェックしよう 

最後に、当日の持ち物も確認しておきましょう。
メモ帳やスケジュール帳は忘れずに持っていくようにしましょう。
会場マップや企業リストも持っておくと役に立ちます。印刷してもいいですし、スマートフォンに入れておくのも手です。
また、選考を兼ねているフェアの場合は、スーツ着用・履歴書や職務経歴書、エントリーシートの持参が求められることもありますので、確認しておきましょう。
選考の有無によらず、身だしなみを整え、清潔感のある印象を心がけるといいでしょう。

 

まとめ

就職フェア・しごとフェアは、企業との出会いの場であり、自分自身の軸を見つめ直す機会でもあります。
事前準備をしっかり整え、目的をもって参加すれば、短い時間でも多くの発見や学びが得られるはずです。
ぜひ、自分なりの方法でフェアを活用し、納得のいく就職・転職活動へとつなげていってください。