イベントレポート

イベントレポート(vol.2)
『地域とつながるキッカケ交流会 〜塩尻と東京の”人”を繋げるワークショップ〜』

塩尻の仕掛け人たちと、東京の”人”を繋げるワークショップ

2019年7月30日(火)に東京茅場町のCAFE SALVADOR BUSINESS SALONで開催された「地域とつながるキッカケ交流会~塩尻と東京の”人”を繋げるワークショップ~」のイベントレポートをお届けします。

今回は塩尻の仕掛け人3名をお招きし、地方暮らしや仕事について知るキッカケをつくるワークショップを開催。来場者の中から希望者を募り、塩尻を訪れるツアーを企画しました。どのようなツアーになったのでしょうか?

イベントの開催概要については、こちらからご確認ください。

 

塩尻ってどんなところ?

塩尻市は長野県のほぼ中心に位置する自然豊かで文化が根付いた街。「奈良井宿」を代表とする江戸時代に栄えた中山道の宿場町が、今も当時の面影を色濃く残しています。自然豊かで、夏は涼しくさわやか。晴天日数が多く空気が澄んでいるので、トレッキングやハイキングで豊かな自然を楽しめます。

特産品はワインと漆器。どちらもその伝統は古くから受け継がれ、国内外で高く評価されています。 また、そば切り発祥の地として知られる本山のそばも有名。郷土料理の山賊焼や、ぶどう、りんごなど、美味しい恵みもたくさんです。

 

3人の塩尻仕掛け人

今回のイベントでは、塩尻の仕掛人3名をゲストにお招きして、ワークショップを実施しました。まずはゲストにお迎えした3名の仕掛人を紹介します。

 

名物塩尻市役所職員 山田 崇(やまだ たかし)さん

塩尻市役所職員として地方創生とシティプロモーションを担当。塩尻市を拠点にした空き家プロジェクト『nanoda』代表をつとめるほか、塩尻市発のプロジェクト「MICHIKARA 地方創生協働リーダーシッププログラム」など数々の地域活性化アイデアを実現するスーパー公務員。日本全国を講演会で飛び回っている。<br />
塩尻市役所職員として地方創生とシティプロモーションを担当。塩尻市を拠点にした空き家プロジェクト『nanoda』代表をつとめるほか、塩尻市発のプロジェクト「MICHIKARA 地方創生協働リーダーシッププログラム」など数々の地域活性化アイデアを実現するスーパー公務員。日本全国を講演会で飛び回っている。

北アルプスでゲスト/シェアハウスを運営 たつみ かずきさん

大阪出身。22歳で京都から長野県北安曇郡へ移住。役場勤務を経て2015年、長野県北アルプス山麓地域を拠点に『LODEC Japan合同会社』を設立。ゲスト/シェアハウス運営など地域流動を創出。塩尻市ではシビックイノベーション拠点である『スナバ』の運営も行っている。<br />
大阪出身。22歳で京都から長野県北安曇郡へ移住。役場勤務を経て2015年、長野県北アルプス山麓地域を拠点に『LODEC Japan合同会社』を設立。ゲスト/シェアハウス運営など地域流動を創出。塩尻市ではシビックイノベーション拠点である『スナバ』の運営も行っている。

名古屋と塩尻の二拠点生活者 横山 暁一(よこやま あきひと)さん

パーソルキャリア株式会社中部支社で転職メディア『doda』の法人営業を担当しながら、塩尻市の地域おこし協力隊のメンバーとして塩尻商工会議所にも勤務。名古屋・塩尻市の二拠点生活をしながら複業でパラレルキャリアを実践している。 パーソルキャリア株式会社中部支社で転職メディア『doda』の法人営業を担当しながら、塩尻市の地域おこし協力隊のメンバーとして塩尻商工会議所にも勤務。名古屋・塩尻市の二拠点生活をしながら複業でパラレルキャリアを実践している。

地方生活を考えるための山田さんからのアドバイス

ワークショップをはじめる前に、山田さんから参加者のみなさんに伝えたいことがあるということではじまったのは、これから地方移住・二拠点生活などをしたいと考えている方へのアドバイスです。

「地方移住」は、人生の大きな転機となります。
特に家族がいるような方であれば、家族の理解を得て地方で収入を確保して生活を成り立たせる必要があります。若い単身の方にとっても、転職などの人生の転換期というのは、非常に慎重になるものです。そんな重要な判断を求められる地方移住・二拠点生活を考えている方へ山田さんは、アメリカの経営コンサルタント ウィリアム・ブリッジズの著書「トランジション」から、以下の5つのポイントを説明しました。

1.焦らない
2.「何かしないと」と考えない
3.些細なことでも、自分のやり方を大事にする
4.変化の良い面/悪い面の両面を考える
5.話し相手を見つける

「何かしないと」と焦ってしまうと、判断を誤りやすくなります。
今回のようにイベントに参加するなどの行動をしていれば、必ずチャンスは訪れます。そのチャンスをしっかり掴むようにしてください。また周囲とは異なる価値観で孤立したり対立するようなことがあったら、自分のやり方を信じてください。落合陽一さんの言葉で好きな言葉があります。「”普通は”から話を始めると思考停止に陥る」という言葉です。他者の普通が自分の普通とは限りません。今回のイベントのような場に参加して、地方移住や二拠点生活を実践している先輩とつながり、良い面/悪い面の両方の視点を持ち、自分なりのやり方で判断してください。

今回参加している塩尻メンバーは、声をかけてもらえば、連絡先を交換しますし、塩尻へ来ていただければ実際の地方の暮らしを見せることも体験することもできます。
ぜひ、今回のイベントに参加したことをきっかけに、世界を広げてみてください。

参加者が行きたい塩尻ツアーを作るワークショップ

いよいよイベントのメイン「参加者が行きたい塩尻ツアーを作るワークショップ」がはじまります。フィッシュボウルという手法を使い、ワークショップが進行します。

フィッシュボウルとは、対話を深めながら、その内容を参加者全員で共有するための方法論。

会場の中心に塩尻の仕掛人が座り、ワークショップを進行します。切り替わる話題に興味を持った参加者が、次々に中央の仕掛人の周辺の席へ移動し、より具体的な話に進行していくというものです。

巻き込まれることが大切です タクマさん

最初に山田さんの隣の席に移動してきたのは、信州大学出身のタクマさん。
大学時代に周囲にいた40代の大人たちが大好きで松本が好きになり、今でも月に一度は信州を訪れていると言います。そんなタクマさんが、参加者に伝えたいことを熱弁しはじめます。

「巻き込まれるって、大切なんですよ!」
私は大学時代に、たまたま面白い大人が周囲にいたんです。そんな大人たちに誘われるまま行動していくうちに、自然と地方創生のようなことにも参加するようになり、楽しさが分かってきました。

私の周囲にいた方は、サッカーのクラブチームの立ち上げをしていた人たちで、その手伝いをしていました。単なる大学生にそんな経験ができたのも、そのときその大人たちに「巻き込まれた」からなんです。
そのクラブチームは、今ではJリーグでJ1に昇格した松本山雅FCです。
ぜひみなさんも、会話に参加して巻き込まれてください。

 

そんな熱弁をふるってくれたタクマさんに、山田さんが質問します。「月に1回来るなら、次はいつ来るの?」
「8/17に行きます」と答えると、たつみさんから「その日は小坂田公園の花火大会だね。そして、うちのシェアハウスでDIYのイベントもやってるよ」というイベントスケジュールが発表されます。

「分かりました!では塩尻に泊まります。ぜひシェアハウスでDIYのイベントに参加させてください!」と、イベント参加者第1号が飛び出します。

 

山田さんの講演を高校で聞きました ミキさん

続いて中心へ躍り出たのは若い女性のミキさん。
「実は私、高校の時に山田さんの講演を聞いたことがあるんです。うちの高校に来ていただいたのをいま思い出しました!」と出身校名を確認すると、「確かに行った。校長先生が熱心だったのを覚えてる」と山田さんが応えます。さらに横山さんからは「その高校、うちの奥さんの出身校だわ」という偶然も重なり盛り上がりはじめます。

 

「今年のお盆休みは帰省しないの?」と問われると、ミキさんは「8/12~16まで帰省しています」と返答。すると「8/14は、広丘駅前の商店街でワインBarやってるなぁ」と山田さん。

年に一回、塩尻商工会議所青年部のメンバーがお祭りでワインBarを出店しているということで、ミキさん「行きます!」と、ここでも参加が決定しました。

 

東京でサポーターとして地方を応援したいザックさん

続いて中央へ躍り出たのは、フリーランスの二拠点生活をしやすくするための事業を行っているというザックさん。会社で新規事業の立ち上げを担当しているザックさんは、転勤も多く、いろいろな地方での生活を経験してきて「生活場所を1か所に限定するのはもったいない。二拠点だけでなく三拠点など複数エリアでの生活をしたい」と言います。

すると二拠点生活を実践している横山さんから、「二拠点生活の良さ」という話が飛び出します。「二拠点生活の良さって、『やっぱりやめた』ができることなんだよね」。移住って、やはり重たい判断なんだけど、シェアハウスなら移住してみて合わなければ戻ることができるのがメリットなんです。やはり家を買ってしまったりすると、その地方が合わなくても、暮らし続けなければならなくなる。そこがシェアハウスの二拠点のメリットかなと話してくれました。

そしてザックさんがやっている事業で「シェアハウスが活用できる」という話から、たくまさんのシェアハウスを活用した企画をやりましょう!という話につながりました。

 

空き家をゲストハウスにしたいドウマエさん

そんなシェアハウスの話に飛びついたのが、大学で建築を学んだというドウマエさん。

大学を卒業後、就職はしていないものの、建築事務所に就職した友人と「空き家をゲストハウスにするプロジェクト」をやりたいということから、シェアハウスの運営実績のあるたつみさんに話しを聞きたいそうです。

たつみさんのアドバイスは、「空き家の建物を使いたい」という発想と「ゲストハウスを運営する」ということはまったく別のことであるということ。
空き家がゲストハウスになるということは、地域にとっても良いことではあるけれど、日本の多くのシェアハウスで経営が苦しい状況であることが伝えられます。

運営者は24時間対応が必要となりなかなか休めないこと、収支をプラスにするのに多大なる努力が必要なことが説明されます。そんな中、たつみさんのシェアハウスのリノベーションが10月に実施され、その手伝いも兼ねての相談ツアーが決まりました。
たつみさんが運営しているシェアハウスの情報は、こちらで確認できます。

https://www.facebook.com/shukuba.noie/

8/14 ワインBarツアーをつくろう!

ワークショップが盛り上がっていく中で、今回のイベントの最終目的「ツアーづくり」の話に切り替わります。

いくつか塩尻訪問の話が出た中で、一番参加しやすいということからミキさんと話をした「8/14のワインBarツアー」をやろうということになりました。
すると「行きたい!」という方2名が手をあげます。

 

ミキさん、ジュリさん、ハヤトさんの参加決定!

参加希望の3名に対して、山田さんがイベントの詳細を説明していき、たつみさんはFacebookのイベントページをその場で設定していきます

お祭りが開催されるのは広丘駅前の商店街。塩尻駅の1つ隣の駅になります。
広丘はEPSONのイノベーションセンターがあって、6,000人くらいの従業員が利用する駅ですね。お祭りでは、塩尻の商工会議所青年部のメンバーが毎年ワインBarをやっているんです。

ここで販売するワインが特別なんです!
城戸(キド)ワインといって、一般に流通していない貴重なワインなんです。
メルシャンの伝説の醸造家・麻井宇介さん(故2002年)の3人のお弟子さんのひとりが、年に3回だけインターネットで抽選販売しているのが、この城戸ワインです。当日のワインBarでは、このワインが飲めますので、ぜひいらしてください。
イベントが午後4時くらいからはじまるので、4時に広丘駅集合にしましょうか。と話がまとまる頃に、たつみさんから「イベントページできました!では、参加希望の方はこちらからご連絡ください!」という感じでイベントは終了。

でき上がったイベントページがこちらです。
https://www.facebook.com/events/468868870344324/

イベント終了後も、仕掛人3人の周辺には話をしたい参加者が集まり、それぞれの困りごとを質問するなど最後まで盛り上がったイベントでした。

また、Facebookで公開している当イベント告知画面では、市内のお祭りリストなどが掲載されています。塩尻に行ってみたいという方は、こちらも参考にしてみてください。
https://www.facebook.com/events/1353978798076724/?active_tab=discussion

今後の開催予定

LO活では、このようなイベントを順次開催予定です。
地方移住者と接点を持って、いろいろな現地の暮らし・仕事の話を聞くことは重要なことです。LO活で取材してきた多くの移住者が、現地の人とのつながりがきっかけで移住を決めたと話しています。
ぜひ、下記URLから今後の開催予定をご確認の上、お気軽にご参加ください。

https://local-syukatsu.mhlw.go.jp/seminar/?sponsor=jp00&place=&theme%5B%5D=emigration&target%5B%5D=general&date=&result=true

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