地方で生きる

「新卒×地方」の3つのメリット
先輩から学ぶ「やりたい仕事」にたどり着く新経路

はじめての就職先は、東京や大阪といった都市圏で!そう考える就活生も多いのではないでしょうか。

しかし、「今すぐやりたい仕事に就きたい」「歯車のひとつにはなりたくない」「色々な経験を積んで、自分が本当にやりたい仕事を見つけたい」と考えるみなさんへ、今こそ地方企業をおすすめします。

都市圏の大企業では多くの場合、就職すると、まずは社会人としての基礎力をつけることが求められます。希望していない職種に配属され、修行期間を過ごすこともしばしば。同じような仲間が多い分、安心感は得られるかもしれませんが、希望の仕事に就くのに数年以上かかることもあります。

その点、地方企業では、より早く希望職に就ける可能性があります。人材不足が深刻化しているからこそ、即戦力として働くことができるのです。この記事では、「新卒で地方を選ぶ」ことで「やりたい仕事」に出会い、充実した社会人生活を送る3人の先輩たちにお話を伺いました。

先輩Aの場合:大学時代から熱を込めて取り組んできた研究を、就職先でも続けたい

──東京農業大学を卒業後、新潟の食品会社に就職したAさん。新潟は縁もゆかりもない場所だったそうですが、その企業に就職を決めたのはなぜですか?

「大学時代から食品開発に関する研究を行っており、就職後も研究を続けながら、その成果を活かす仕事に就きたいと思っていました。食品系の会社は、そもそも地方に本社を置いている場合が多いため、就職先を考えていくうちに自然と地方が視野に入ってきました。地方だから行きたくない、嫌だという思いは特にありませんでした」

※写真はイメージです ※写真はイメージです

──実際に働いてみて、いかがですか?

 「研究テーマに通じる業務に就かせてもらうことを、入社する前の面接で確約していました。そのため、入社後のギャップもなく、真っすぐにやりたいことを仕事にできました。興味関心のある研究を通して、会社や社会に貢献できていると思えるのは、とても嬉しいですしありがたいです。入社時にちゃんとやりたいことを伝え、双方が理解し合うことは、とても大事だと思います」

 

「新卒で地方を選ぶ」メリット①

面接時に、自身の研究テーマと業務内容とのすり合わせを行ったというAさん。やりたいことが明確な場合は、入社前に業務内容について交渉ができる可能性があると言えます。

先輩Bの場合:災害の現場に行き、見逃されてきた体験を記録するために

──東京学芸大学を卒業後、宮城県の新聞社に就職したBさん。学生時代に通っていたという宮城県を、就職先として選んだ理由は何でしょうか?

「宮城県沿岸部の街を気に入って何度も通っていました。そこで、東日本大震災の復興の中で、お年寄りの人たちが『還暦を過ぎたものは口を出すな』と言われてきたことを知りました。見逃されてきた彼らの話を聞き、記録するということが、私にできることかもしれない。そう思って街の一つである石巻市の新聞社に入社しました」

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──実際に働いてみて、いかがですか?

「街を練り歩き、人に会って取材する。外勤記者を1年間みっちり勤めました。見習い期間はほとんどなく、初日の午後からひとりで取材に。1日に2、3本の記事を仕上げました。大変なこともありましたが、たくさんの現場に足を運ぶことができ、とても充実していたと思います。今はこの経験を活かして次のステップに進む予定です。現場での経験を早くから積めたことは、転職にも生きていくのではないかと感じています」

 

「新卒で地方を選ぶ」メリット②

少数精鋭のチームでは「まずはやってみて」と仕事を任せてもらえ、より多くの現場で実践を積むことができます。失敗も成功も体験することで自信につながり、今後のキャリアを積み重ねていく上での強みとなるかもしれません。

先輩Cの場合:島で暮らしたいと思い、地方へ自分に合った“楽しい仕事”に気付く

──九州大学を卒業し、現在は広島・因島にオフィスを構えるデザイン会社に勤めるCさん。なぜ、その企業に就職を決めたのでしょうか?

「初めは、東京の会社に就職したい!と思っていたんです(笑)。ですが就活がコロナと重なって働くことを改めて見つめ、人との適度な関わりや自然を大事にしたいと思い直し、地方も視野に。学生時代から携わっていたグラフィックデザインを軸に、島暮らしへの漠然とした憧れもあって『島、デザイン』と検索して出てきた今の会社に就職しました」

──実際に働いてみて、いかがですか?

「私の会社は、島での“相談役”的なポジションを担っています。仕事内容はデザインだけでなく、カフェや宿泊施設の運営、ある時は採用相談に乗ることも。幅広い仕事をこなしていく中で、デザインの面白さだけではなく、困りごとを抱える人と、密に話し合いをして進めていく仕事の楽しさに気付きました。入社時から数多くのプロジェクトに参加させてもらえたからこそ、新たな仕事の楽しさを見つけることができたと思います」

 

「新卒で地方を選ぶ」メリット③

多くのプロジェクトに参加できるのも、地方企業の魅力のひとつ。ジャンルの異なるプロジェクトに携わることで、本当にやりたいことが見つかるかもしれません。

「やりたい仕事」に就くために、地方へ視野を広げよう!

①入社前に仕事内容を交渉できる可能性がある

②現場経験を多く積むことができる

③さまざまなジャンルの仕事に携わることができる

 

以上が、3人の先輩から見えてきた「新卒で地方を選ぶ」メリットでした。

「やりたい仕事が見えている」みなさんは、AさんやBさんのように、地方へ視野を広げることで、新卒でも就職してすぐにやりたいことを実現できる企業が見つかるかもしれません。

一方で、「やりたい仕事を見つけたい」というみなさんも、Cさんのように、地方企業でさまざまなプロジェクトに取り組むことで、自分のやりたいこと、面白いと思える仕事が見つかることもあるでしょう。

すでにやりたいことがある人、これから見つけていく人、地方はどちらのみなさんにも可能性が広がるかもしれないのでおすすめです。ぜひ視野に入れてみてください。

 

※この記事に掲載されている情報は、2025年3月にサイトに公開した時点での情報です。