レポート

【2026年版】地方就職・UIJターンの支援金まとめ
|交通費・移住・奨学金返還の補助金一覧

地方就職を選ぶ際には、就職活動のための交通費や引っ越し費用など、都市部での就職活動にはない負担が生じます。こうした負担を軽減するため、国・自治体・企業がそれぞれ支援制度を設けています。

 

本レポートでは、地方就職やUIJターンに活用できる支援金を4つに整理しました。

①移住・就業に対する定額給付
②就活やインターンの交通費補助
③引っ越し・住居費の補助
④卒業後の奨学金返還支援

2026年、特に注目したいのは次の2つ。学生向けの交通費・移転費支援を支える交付金が、地方創生2.0のもとで刷新されたこと。そして、企業が従業員の奨学金を肩代わりする「代理返還」が、2年で約2.7倍に急増したことです。地方就活に特化した支援制度のまとめとして、ぜひご活用ください。

※この記事では、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の1都3県を「東京圏」としています。

2026年の注目トピックス

学生向け「地方就職学生支援事業」が刷新
2024年度に創設された、就職活動にかかる交通費と地方移住に伴う移転費を支援する制度です。2026年度は財源が移行し、地方就職を後押しする流れの中で継続されています。実施主体は市町村のため、まずは就職を希望する地域で制度が実施されているかを確認しましょう(詳しくは②)。

企業の奨学金返還支援が拡大中
奨学金を企業が肩代わりしてくれる頼もしい制度「代理返還制度」。導入企業は2年で約2.7倍に増え、2026年3月末で4,852社。地方企業が導入を進める流れが強まっています(詳しくは④)。

①移住・就業に対する定額給付:国の「移住支援金」

地方就職の支援金で、最も金額が大きいのが国の移住支援金です。
移住直前の10年間のうち通算5年以上、東京23区に在住、または東京圏から23区へ通勤していた人が地方へ移住し、対象の求人に就職するなどの条件を満たすと支給されます。金額は、世帯で最大100万円、単身で最大60万円。引っ越し費用や新生活の準備、当面の生活費など、使い道は限定されていません。

対象期間の数え方には、東京圏で大学生活を送った学生向けの特例もあります。23区内の大学に通い、卒業後に23区内の企業へ就職した場合は、その通学期間も対象期間に算入できるのです。そのため、東京圏で大学生活を送り、そのまま東京圏への就職を行った人は、要件を満たしやすくなっています。

②就活・インターン費の補助

国の「地方就職学生支援事業」
東京圏の大学卒業後すぐに地方へ就職・移住する学生を対象に、就職活動にかかった交通費の最大2分の1と、その後実際に地方へ移住する際の移転費を支援する制度です。2026年度は、財源が地域未来交付金の「地域未来推進型(移住・起業・就業事業)」へ移り、若者支援を後押しする流れの中で継続されています。

この制度の実施主体は、移住先の市町村です。そのため、実施している市町村としていない市町村があり、上限額や受付期間も自治体ごとに異なります。例えば交通費の上限は、北海道函館市で26,000円、群馬県内では6,000円など幅があり、移転費は、国が定める上限113,500円以内で、鹿児島県で上限113,500円、兵庫県で上限108,000円など、移住先の自治体が定めます(いずれも2026年6月時点)。

LO活の就職先決定調査で、地方就職者が「あれば利用したかった支援」として毎年最も多く挙げるのが「交通費の補助」。その声に国の制度が応える形になっており、在学中の就活段階から交通費を申請できる点が特徴です。志望するエリアが決まっている人は、まず移住先候補の市町村がこの事業を実施しているかを確認してみてください。

地方就職学生支援事業について▼
https://www.chisou.go.jp/sousei/pdf/r7_gakuseishien.pdf

 

自治体独自の就活・インターン交通費補助
国の制度の他にも、就職活動やインターン参加でかかる交通費・宿泊費を補助する制度を、多くの自治体が独自に設けています。例えば、新潟県や宮崎県では、県外に住む学生が会社説明会や採用試験、インターンシップのために県内へ移動する際の交通費・宿泊費を補助しています。
また県だけでなく、市町村単位で設けているところもあります。北海道札幌市が運営する札幌UIターン就職センターでは、道外に住む学生が札幌圏での採用面接・試験やインターンに参加する際の交通費を補助しています。

多くは県外に住んでいることや、その自治体の就職支援サイト・センターへの登録が条件になっており、補助の金額や上限、対象となる活動(面接・インターン・合同説明会など)は自治体ごとに異なります。予算の上限に達すると年度の途中で受付を終了する制度もあるので、気になる地域が見つかったら、早めに確認しておくと良いでしょう。

 

③引っ越し・住居費の補助

地方への就職を機に移り住む人に向けて、引っ越しや住まいの費用を補助する自治体があります。

まず引っ越し費用。前述の地方就職学生支援事業では、地方で就職が決まった学生に「移転費」が支給されます。額は移住先の自治体が定め、上限は113,500円。多くの自治体が2026年度も実施しています(実施の有無や上限額は自治体ごとに異なります)。

住まいの費用を、補助するところもあります。例えば新潟県南魚沼市の「U・Iターン促進住宅支援事業補助金(家賃補助)」は、県外から市内へ移り住んで働く人の家賃を補助する制度で、交付決定後、最初に家賃を支払った月から12カ月間が対象です。

金額や条件は自治体で大きく異なり、先に紹介した移住支援金と併用できる場合もあります。志望先でどの制度を重ねられるか、併せて確認しておくとよいでしょう。

 

④奨学金返還支援

大学生の約2人に1人が利用している奨学金。平均して一人200~300万円規模の「借金」に「奨学金破産」という言葉が飛び交うほど、奨学金返還が長期にわたり家計負担となるケースもある中、企業や自治体がその返還を支援する制度「奨学金返還支援」が進んでいます。制度は大きく「自治体型」と「企業型」の2種類に分かれます。

 

自治体型
指定の地域に就職・居住することを条件に、自治体が返還の一部を助成します。支援の内容は自治体によって大きく異なりますが、数十万円から、長く勤めれば総額100万円を超える規模まで幅があります。

企業型(代理返還)
もう一つが、企業が従業員の奨学金を肩代わりする「代理返還」です。2021年4月に始まった制度で、利用企業は2024年3月末の1,798社から2026年3月末には4,852社へと、2年で約2.7倍に急増しています。

 

この制度は、地方就職を考える人にとって特に見逃せません。検索サイトに掲載されている2,281社のうち、東京・大阪以外の地方企業は1,628社で、71.4%を占めています。JASSOウェブサイト内では導入企業を地域・業種から検索できるので、志望企業が対応しているか調べてみてください。

 

メリットと注意点
例えば、月2万円の返済がなくなると、年間では24万円。生活に余裕が生まれるだけでなく、投資や貯蓄に回せる現実的な選択肢も見えてきます。

一方、注意すべきは、支援は在職中に限られる場合がほとんどで、支援期間の途中で離職すると打ち切られてしまう点です。企業によっては、一定期間内に退職した場合、それまで肩代わりした分の返還を求める規定を設けていることもありますので、支援条件(上限額や支援期間、離職時の扱い等)は入社前に確認しておきましょう。

 

あなたはどれを使える? 迷ったらLO活相談員に聞いてみよう

支援金は、あなたの「現在の状況」によって使えるものが変わります。
代表的なパターンは以下の通りです。

 

【東京圏に住む学生が、地方へ就職する場合】
最も手厚いケースです。在学中の就活段階から、②就活・インターン費(地方就職学生支援事業の交通費など)が使え、卒業・移住時に、③引っ越し・住居費、就職後に、④奨学金返還支援が効いてきます。

【社会人で、地方へ転職する場合】
①移住支援金が中心になります。就業を条件に、世帯最大100万円・単身最大60万円が支給されます。

【すでに地方に住んでいて、地元やUターンで就職する場合】
①移住支援金や②就活費(地方就職学生支援事業)は東京圏からの移住が条件のため対象外ですが、④奨学金返還支援(自治体型・企業型)は使える可能性があります。

 

まずは、自分がどのパターンに近いかを掴んでみましょう。その上で、どのように調べたら良いのか、UIJターン就職・転職活動への活用方法に迷ったら、LO活相談員への相談もおすすめです。

【LO活相談員 山内淳子さんから】

支援金をうまく活用することで、就職活動や移住にかかる費用の負担を軽減できる場合があります。自治体によって支援制度の内容や条件が異なるため、最初は分かりにくく感じるかもしれません。まずは興味のある地域でどのような支援が受けられるのか、LO活サイトを活用して調べることから始めてみてください。制度の内容や申請条件の確認で迷ったときは、LO活にお気軽にご相談くださいね!

就活を進める上で、気になるお金のこと。国や自治体、企業がサポートしている内容を踏まえて、ぜひ「地方就職」という選択肢も検討してみてください。

 

※本レポートに記載の金額・社数等は2026年6月時点の情報です。制度内容は変更される場合があるため、利用前に各実施主体の最新情報をご確認ください。