LO活

地方で見つける!
自分らしい生き方、働き方。

  • LINE
  • Facebook

スペシャルインタビュー

第10回「LOCAL×はたらく」を考える 第10回「LOCAL×はたらく」を考える

第10回「LOCAL×はたらく」を考える

株式会社楽天野球団 代表取締役社長  立花 陽三 氏
CAST

株式会社楽天野球団 代表取締役社長  立花 陽三 氏

1971年東京都生まれ。1994年慶應義塾大学総合政策学部卒業後、ソロモンブラザーズ証券会社入社。その後、ゴールドマン・サックス証券株式会社を経てメリルリンチ日本証券株式会社へ。債券営業統括本部長、常務執行役員を経験後、2012年8月より現職。2013年には球団史上初の日本一を達成する。高校・大学時代にはラグビー選手として活躍。

こどもたちに夢を与えたい

こどもたちに夢を与えたい

球団社長の声がかかったのは、東日本大震災の被災地のために何もできていない自分に葛藤していた時でした。これは何かの縁だと感じ、自分の足で東北を見て回ることにしたのです。日本海側も含めて過疎化が進む現状を知り、この雪の多い中でどうすればたくさんの観光客や移住者を呼ぶことができるのかを真剣に考えました。

 

スポーツを通じて地域を元気にするには、やはり勝つこと、そしていい試合をして楽しんでもらうことが重要だと考えています。今シーズンは、初めて東北6県全てで試合が開催できることになりました。特に青森県で1軍の試合を行うのは実に29年ぶり。まだまだ東北楽天ゴールデンイーグルスというコンテンツは人気、価値ともに足りていないと感じていますが、一人でも多くの方に試合を観ていただきたいと思っています。地域に根ざす運動を続けながら、強くて素晴らしいチーム・球団を作る、この両輪がなければ本当の意味で東北を元気にすることはできません。まだまだやるべきことは多いと感じています。

 

「地域に根ざした活動」としては、2014年から東北各県の教育委員会にも協力いただき、全ての小学1年生にチームのキャップをプレゼントさせていただいております。

また、同年に「TOHOKU SMILE PROJECT」を立ち上げ、福島県相馬市に「相馬こどもドーム」を、岩手県大槌町に「大槌こどもグリーンフィールド」を寄贈。また、被災地に選手が足を運び、こどもたちに野球を教えるといった活動も続けてきました。

 

こうした地道な活動を通じて、少しでもこどもたちに勇気やスポーツの楽しさを届けていきたいと思っています。やはり「こども」というのはたくさんの人たちが前向きになるための一つのキーワードで、こどもが元気になれば大人たちも元気になる。東北を元気にするにはこどもたちの力が必要です。だから我々も、こどもたちに夢を持ってもらえるようなチームを目指していきたいと考えています。

野球をきっかけに、東北の魅力を伝えたい

野球をきっかけに、東北の魅力を伝えたい

海外ではプロスポーツチーム間でのヘッドハンティングが珍しくありません。私も社員には「この会社でしっかり働いて、他球団からスカウトされるような人になってほしい」と伝えているんです。将来はプロスポーツの世界で社長なり変革者になれるよう、ビジネスをしっかり学んでもらいたいと本気で思っているからこそ、社員が海外に目を向け、海外のプロスポーツを勉強できるような環境を整えています。自分が慣れ親しんだ世界だけが自分のフィールドではないんだということをぜひたくさんの人に知ってもらいたいのです。

 

私は東京の出身ですが、東北に来て東北全体のポテンシャルの高さを感じました。この土地ならではの良さが本当にたくさんあるものの、それをまだまだ伝えきれていないのではないかと思っています。我々の会社の本体である楽天はインターネット事業を行っています。例えば、楽天のサービスを使えば小さな町工場の製品でも全国へ簡単に届けられるように、インターネットを活用すれば東北の良さを全国に発信できます。あくまでインターネットは一つの例ではありますが、東北にしかない景色、食べ物、空気といった素晴らしい魅力にあふれたものがまだまだ世の中に発信できていないと感じています。だからこそ、そうした素晴らしいものに目を向けるきっかけが、楽天イーグルスの試合を観に東北に足を運ぶことであったら嬉しいなと思いますね。

 

2016年の広島東洋カープのセ・リーグ優勝を見て感じたことは、広島の方々が地元の歴史から全てを受け入れて、各地域でチームを応援する素晴らしい姿でした。広島の地で育った人が広島から出て、その地で試合を観戦しチームを応援する。そういう強いつながりを感じました。楽天イーグルスがそのように愛される球団になるためには、あと30年、いや50年はかかるかもしれません。決して一日にしてなるものではないでしょう。そのためには、我々がどういうスタイルで球団経営をし、選手やファンを大切にしていくか、まさに日々の活動が重要になります。逆に言えば、その積み重ねをしっかりしていけば、ファンの皆さんはちゃんと返してくれるに違いないと思っています。だから、2004年の球団創設から10年余、今はまだまだ種まきの時期です。

 

日本のプロスポーツのビジネスは、大きな転換期を迎えているのではないでしょうか。今後は親会社に頼るのではなく、地域やファン、サポーターの方々と一緒に、地域密着型の経営スタイルで、黒字化を目指していかなければならないと思います。もちろん、楽天野球団もしっかりと黒字経営を行っていけるよう、皆で力を合わせていきたいですね。

私もまだまだ勉強中です

私もまだまだ勉強中です

私はこれまで、海外のいろいろなスポーツチームの経営者の方々と話をしてきました。ですから、少しずつではありますが、球団経営においては世界のことをわかったうえで、日本や東北にフィットしたものを取り入れられるのではないかと考えて、いろいろなことにチャレンジしているところです。

 

これからは、学生や会社員だけでなく、経営者も含めた全員がグローバルに目を向けなければならない時代だと思います。今、自分がいる場所のマーケットだけでいいのか、そうではなくて1億2000万人、もしくは10億人を相手にしていくのか、舵を取る存在である経営者自身がビジョンをしっかり示さなければ、そこで働く人たちも付いてきてくれないのではないかと思っています。私も様々なことを経験させてもらい、社長になってもまだまだ学んでいる最中です。働く社員や将来を担う学生だけに期待するのではなく、経営者自身も一緒になって頑張っていけると、より一体感のある組織が作れるのではないかと思います。

 

学生の皆さんにお伝えしたいのは、広い視野を持つためにも、外の世界をもっと見てもらいたいということです。視野が広がれば、活躍できる場所も確実に広がると思います。世界では、想像できないような大きなことが現実に起こっているのを知ることが、新しいものを生み出したり、自分たちの周りを変えていくための力になるに違いないと私は考えています。

 

私自身も、これからも東北の方々を元気にできるような取り組みを続けていきたいと思っています。今と同じポジションでずっと働き続けられなくても、たとえば新しい会社を作ってみたりして、何かしら別のかたちで関わっていたら嬉しいなあと思ったりしています。少なくとも東北に近い場所で、この地域のためにチャレンジし続けていたいですし、何かとんでもなく面白いことをやってみたいと思っています。

 

スポーツチームとしては、やっぱり勝たないといけません。勝つことを多くのファンは望んでいますし、そこから絶対に逃げてはいけないと思っています。そのうえで言うと、東北楽天ゴールデンイーグルスというチームの選手たちは本当に仲が良いですし、すごく良いチームワークがあるんです。勝ち続けたら手に負えない雰囲気があることは、勝負事では非常に重要なこと。私はこの雰囲気は他のチームには絶対にないものだと確信していますから、それをもっと自慢したいと思っているんです。そして最後にはしっかり勝って、皆に「いいチームだ」と言ってもらえるようにしたいですね。

 

(2017年4月24日掲載)

  • LO活 タイプチェック
  • お知らせメール登録
YouTube

LO活 YouTube チャンネル

このページを
シェアする

右