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特 集

地域企業見学ツアー

石川県七尾市 大人の会社見学の同行レポート


											
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近年、全国各地で、都市部の在住者が地域の企業に足を運べるツアーが開催されるようになりました。

今回は、石川県七尾市で開催された地域企業の見学ツアーの様子を取材させていただきました。

石川県七尾市は、能登半島の中部、海も山も近い美しい自然に囲まれた地域です。

水産業や観光業の事業が盛んに行われていましたが、近年は後継者がいないために廃業せざるを得ない事業者も増えています。

この課題をなんとかしようと、官民の組織が連携して事業承継を促進する取組を行い、注目を集めています。

また、学生向けに地域企業のインターンシップを行うなど、住むだけでなく働く経験ができる機会を早くから外部向けに行ってきた地域でもあります。

地域企業の現場を見てみたいと思っている方、まだ参加したことがない方は、様子を知るうえでぜひ参考になさってください。

イベント概要

名称:大人の会社見学 in 七尾

開催日:2018年10月6~7日

場所:石川県七尾市

主催:能登の人事部(能登七尾移住計画)

同行レポート

1日目

12時。七尾駅に、参加メンバーが集合しました。

参加者は15名。関東在住者の参加者が最も多く、七尾市出身の方もいれば、今回初めて七尾市に来たという方もいます。

オリエンテーションを受けながら昼食をとり、いよいよスタートです。車に乗り込み、会社見学に出発しました。      


											
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訪問1社目は、天池合繊株式会社

世界最軽量の合成繊維を使った製品を作り出し、海外からも注目されている企業です。

天池源受社長は技術者出身。看板ブランドである「天女の羽衣」ができた経緯や、会社の様子を詳しく語ってくれました。

もともと天池合繊は、アパレル各社に布を織って販売するいわゆる下請け企業で、自社で消費者向けの製品は作っていませんでした。

しかし、大きな取引先が破たんしたこともあり、活路を開くため、自社でエンドユーザー向けの商品を開発し、売り出すようになりました。

技術力が高かったこともあり、苦労して作った製品が海外の展示会で注目されるようになって、一気に販路が拡大しました。

それに伴い、取り組んでいるのが社内の組織改革です。開発する商品が増えたり、海外に販売したり、仕事がどんどん変わっていくなか、新しい能力をもった社員や組織が必要になります。

天池社長は、製造や営業など、毎朝各チームのMTGに出席し、うまくチームが動くよう調整しているそうです。

製品も見させていただきましたが、その軽さや美しさに、一同感嘆の声が漏れました。

参加者からは、多くの質問も出ました。

「繊維業界が未経験でも活躍できるか」という質問に対し、天池社長は、「新しいことに挑戦しているので、むしろ新しい視点を持った人が入ってくれることがありがたい。多く活躍する場はあると思う」との回答でした。

地域にいながら、世界を相手に新しい挑戦をしたいと思っている方には、うってつけの環境がありそうです。


											
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2社目は、湯川温泉 龍王閣を訪問しました。

北陸地方では珍しい天然のラドンを含んだ成分の濃い源泉が湧き、その泉質は「日本温泉遺産」にも認定されているほど質が高いことで有名で、観光客はもちろん、多くの研究者も訪れます。

日本有数の温泉地である和倉温泉からは離れた山間に位置する、秘湯の旅館です。

到着すると、髙森代表が迎えてくれました。

湯川温泉の源泉は質が高いことで有名で、加温・加水は一切していません。含有乖離成分のイオン総量も総計で20,600㎎以上を誇り(1万を超える温泉は珍しい)、21の効能を持ちます。

まずは体感ということで、参加者一同、湯に入ります。湯は濃く、たくさんの湯の花が浮いていました。

風呂からあがり、髙森代表の話を伺いました。

質の高い湯を維持するためには、手間がかかります。通常、どの温泉も塩素殺菌をしているのですが、こちらでは一切塩素を使用しておらず、清潔さを保つために週2回、機械をバラして清掃をしています。建物や設備に投資するのではなく、泉質を保つことに心血を注いできました。

病気や痛みで困っている人が全国にたくさんおり、痛みを癒すために遠方からこの温泉を訪れます。そうした人たちのためにも、本物を提供し続けたいと、手間がかかる作業を何十年も続けてきました。

髙森代表は、年齢を考え引退を考えており、次の世代にこの温泉を引き継いでくれる後継者を探しています。この温泉の意義を理解し、地域に溶け込みながら一緒に事業をしてくれる人に来てほしいとの想いを強く持っていらっしゃいました。


											
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温泉からの帰り道、海辺の地区でちょうどお祭りが開かれており、途中下車して獅子舞を見学。

その後、橋を渡って能登島にある民宿に向かいました。

能登島はのどかな風景が広がる島で、昔は数多くの民宿がありました。宿泊者は、釣りをしたり、思い思いのゆったりとした時間を過ごせます。

この民宿も後継者がいないところが大半で、存続の危機が迫る宿が多いです。

参加者が宿泊した「民宿さとみ」も、女将さんは81歳。元気なうちは続けたいと、とれたての海産物でもてなしてくださいましたが、このような財産が失われつつあります。


											
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2日目 

朝出発し、能登島から海岸の道を抜け、牡蠣養殖を営む山田水産に向かいます。

このエリア一帯は、能登牡蠣の産地として有名ですが、多くの事業者が高齢化しており、廃業するところも多く出ています。

こちらで養殖を営む山田さんは、以前は会社員をしていましたが、4年前にこの場所で養殖を営んでいた方から事業を引き継ぎ、家族で営業しています。

牡蠣養殖は季節による変動が大きい仕事で、9月から翌年の4月頃までが収穫に忙しく、毎朝、船で養殖場から牡蠣を引き上げ、小屋に持ち運んで、選別・殻むきを行って商品にします。夏場はゆっくり休みつつ翌年の準備作業を行います。

参加者の中には自然に近い仕事をしたいと思う人も多く、具体的な質問が多く出ました。

牡蠣を使ったレシピをつけてパンフレットをつくるなど、売る工夫も重ねながら、自然を相手に経験を積み重ねていっています。


											
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次は市街地に移動し、移住者の話を聞きました。

9年前に七尾市にIターンした小梶さんは、スポーツクラブを運営する傍ら、自分のように移住してきた仲間が横のつながりをつくれるよう、イジュトーク!というイベントを始めました。毎月話をする中でつながりができ、新しい事業を始めたり、人が人を呼び、若い人が活躍するコミュニティができつつあります。

参加者からの「都市部から移住してきた人が活躍するために大事なことは何か」という質問に対し、小梶さんは、「人が移住をしたり転職をするときは、今ないものを求めて、あるところに移動しようとするときだと思う。しかし、そのままないものを求めているだけではうまくいかない。思った通りのことではないこともやってみること、これまでやったことがないことにもチャレンジすることで道が開けるので、地域で働くには臨機応変なスタンスは持ち続けた方がよいと思う」と語ってくれました。

これから地方で働くことを考える人によって、試行錯誤してきた先輩の言葉は非常に響きました。

最後は、食材に魅かれて移住して店を開いた方のお店で、地元の食材を使ったイタリアンのランチを食べながら、ツアーの振り返りと今後の思いを共有し、幕を閉じました。

参加者の声                      

東京から参加した年代信幸さん。七尾市出身で、大学から東京に出て10年以上IT関係の仕事をしてきました。今年に入ってUターンを考えるようになり、仕事の情報を得ようとこのツアーに参加しました。

もともと3~5年後くらいにUターンできればと漠然と思っていましたが、このイベントに参加して自分ができることのイメージが湧き、もう少し早い実現を考えてもよいと思うようになったと語ってくれました。

奥さんの奈津子さんは東京生まれの東京育ち。結婚してから信幸さんの実家がある七尾市に3回訪れたことがあります。これまで東京で広告関連の仕事をしてきて、取引先として付き合いがあるのは大きな企業ばかり。地方で働く、小さな企業で働くことのイメージがなかなか湧かなかったそうです。それが、このツアーに参加することで、具体的にイメージできるようになり、将来的な移住について考えられるようになったと語ってくれました。


											
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主催者の想い

最後に、このイベントのコーディネートを務めた七尾街づくりセンターの浜田さんにお話を伺いました。

浜田さんは、普段事業承継の仕事を担当しており、日々事業者の皆さんと接しています。

経営者の話を聞く中で、単に事業が継続すればいいのではなく、経営者の想いをいかに継承するかが重要だと考えるようになったといいます。

また、自身も七尾市出身で長く離れて仕事をしていましたが、その間、故郷に関してなかなかいい話を聞くことがありませんでした。情報にはどうしても不均衡なことがあり、良いことも悪いことも伝えていける存在になりたいと、この仕事をやるうえでの想いを語ってくれました。


											
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七尾街づくりセンター株式会社
シニアマネージャー
浜田 宏勝 さん

まとめ

このイベントは、単に会社を見学するだけでなく、事業を行っている人の想いを聞くことに重点が置かれていました。

仕事選びの際は、「自分が何をやりたいか」という点に意識が向きがちですが、「どんな想いに共感するのか」という視点を持つことで、幅がとても広がると思います。

特に小さな会社が多くなる地方では、経営者と触れる機会も多く、想いの部分の一体感がとても重要になります。

そういった意味では、できる限り現地に足を運び、人と会って、想いを聞く機会が重要になると思います。

工夫をこらした会社見学ツアーが全国で開催されていますので、ぜひ参加してみてください。

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