地方就活支援

LO活卒業生が現地をレポート
地方就職支援窓口 利用マニュアル

東京・有楽町の「ふるさと回帰支援センター」を取材

東京や大阪などの都市圏の大学に通いながら、UターンやIターンで地方就職を考えている方は、都会で地方の情報収集に苦労するケースが多々あります。そんな時に頼りにしたいのが、都会に拠点を持つ地方就職支援窓口。

本特集では、関西(滋賀県)の企業に内定を決めたLO活卒業生・小佐野さんが、就活当時を振り返りながら東京有楽町の駅前にある「ふるさと回帰支援センター」をレポート。滋賀県の支援窓口を担当する池田さんが案内してくれました。

こちらのお二人がレポート&ご案内

小佐野かおりさん
都内のキャンパスに通う大学4年生。大学の授業や一人旅をきっかけに関西での暮らしに興味を持ち、Iターン就職を決意。関西のフィットネスクラブに内定をもらった。地方就職に関する合同説明会で、ふるさと回帰支援センターの滋賀県相談員・池田さんに出会う。

 

相談員/池田さん
ふるさと回帰支援センターで滋賀県の窓口(しがIJU相談センター)を担当する相談員。相談者の話をじっくりと聞き、それぞれの方のやりたいこと、好きなこと、向いていることを見極めながら滋賀での暮らしの情報提供やアドバイスをしている。

ほぼ全ての都道府県の情報が詰まった窓口

ふるさと回帰支援センターがあるのは、有楽町駅前にある東京交通会館8階。東京と大阪以外の45道府県の情報が集約していて、それぞれの地域の相談窓口で移住や就職相談に乗ってもらうことができます。


池田さん
センターの中には各地域のパンフレットや資料が並ぶコーナーがあり、無料でお持ち帰りいただけます。移住や就職、観光、イベント案内など内容も様々で、幅広い角度から地域の情報をご紹介しています。

 

池田さん窓口では、地方就職に向けた準備をサポートしています。「地方就職したいけれどどこで暮らそう?」「まだ漠然としたイメージしかできていない」という方も大丈夫です。じっくりとお話を聞いたうえで各自治体の担当者さんやハローワークなど次のステップにお繋ぎするので、少しでも地方就職に興味がある方は、まずは気軽に相談予約して自分の思いを私たちにじっくり聞かせてくださいね。

 

池田さんまた、センターでは就職や移住相談会から、歴史や食など様々な角度から地域の魅力を発信するユニークなテーマのセミナーまで、たくさんのイベントが開催されています。一度相談に来ていただいた方には、メールやDMでもイベントの情報をお知らせしていますので、ぜひ積極的に参加してみてくださいね。

 

自分らしく暮らせる環境が関西にあった

ここからは、小佐野さんがIターン就職を決めたきっかけや就職活動の経緯を、池田さんと一緒に振り返ります。

―小佐野さんがIターン就職をすることになったきっかけを教えてください。

小佐野さん私は大学の地域社会学科に所属していて、授業やゼミで地方の人口減少問題や、地域のまちづくり事例について学ぶ機会がありました。それで興味を持ったのがひとつと、もうひとつのきっかけは、大学2年生の冬に訪れた京都への一人旅です。それまではあまり旅行をしたことがなかったのですが、いざ一人で細かく計画を立てて廻ってみたら、すごく楽しくて。その体験が私の中で印象的だったのもあり、大学3年生のときに京都で2週間、現地の方と一緒に農業をしながら生活するインターンシップに参加しました。

 

―インターンに参加してみて、どうでしたか?

小佐野さん農業をやったことがなかったので最初は不安もあったのですが、行けば元気で明るい方ばかりで、みんな毎日笑わせてくれるんです。ワンルームの部屋を借りて、リアルな現地での暮らしを味わえたのも良い体験になりました。私は高校までソフトボールをやっていたのもあって、こうやって自然のあるところでのびのびと暮らすのが合っているのかな、とも実感できました。インターンを終えて関東の友人に会ったら、「雰囲気が柔らかくなったね」と言われるくらい、私自身にも変化があったみたいです。それまではまだ、漠然と「京都が好きだな」と思っていましたが、インターンを機に「自分らしくいられるのは、京都や関西での暮らしかもしれない」と、関西へのIターン就職を考えるようになりました。

 

―その後、どうやって就職活動を進めましたか?

小佐野さん大学で開催されたLO活主催の地方就職セミナーへ参加したのをきっかけに、大学3年生の秋には「関西企業セレクション1000」(関西の自治体が連携し首都圏で実施する合同説明会)にも行ってみました。もともとは京都の企業の方にお話を聞こうと思って参加したのですが、そこで池田さんが声をかけてくださったんです。

池田さん私たちは、出張窓口のような形でイベントに出展させてもらうこともあるんです。それでぜひ滋賀県での暮らしも選択肢に入れていただけたら、と思い、会場で小佐野さんにお声掛けしました。「ぜひぜひ!」と、ちょっと強引にお連れしちゃいましたね(笑)。

小佐野さんそんなことないですよ(笑)。それで池田さんが、滋賀県の魅力をたくさん教えてくださって。初めに「ほどほど田舎ほどほど都会」という滋賀県のキャッチフレーズを聞いて、「私が生まれ育った埼玉県にもどこか似ているかもしれない」と、印象的に感じました。

 

池田さん京都や大阪、名古屋など、都市部へのアクセスが優れていながら、滋賀県そのものは自然が豊かで、四季がはっきりしていて、とても暮らしやすいです。家賃も比較的リーズナブルですし、そういった魅力をお伝えさせてもらいました。

小佐野さんたくさん魅力を聞かせてもらううちに、滋賀県での暮らしもいいなと、すごく興味を持つようになりました。その後は、ふるさと回帰支援センターで開催される滋賀県関連のセミナーやイベントの案内も池田さん経由でもらうようになり、何度か参加しました。実際に現地で働くイメージを膨らませたり、セミナーのゲストの方と連絡先を交換させてもらって、その後現地を訪れたりもしました。

池田さん実際に滋賀を訪れてみて、いかがでしたか?

小佐野さん空が広くて、雑音がないところにすごく魅力を感じました。のびのびできて、ストレスも溜まらないというか。それに、滋賀県の方は本当にアットホームな雰囲気を持つ人ばかりで、初めて訪れた私のこともすぐに受け入れてくれる気さくさや温かさが素敵だなと思いました。

地方就職で、少ないチャンスを物にするために

―具体的に、どうやって就職先を決めたのですか?

小佐野さん私は、自分らしくのびのびと暮らすために滋賀や京都での就職を目指すことにしたので、就職先も「ありのままの自分でいられるかどうか」を重視して考えました。業種もそこまでしぼって考えずに、自分が働くイメージが湧きやすいところを優先的に探しました。まずは関東で開催される説明会に参加し、「ここなら受けに行きたい」と思った4社にしぼって、関西まで面接を受けに行き、最終的に関西でフィットネスクラブを運営する企業に内定をいただきました。

 

―企業の情報はどうやって集めたのでしょうか?

小佐野さん就職サイトをメインで活用しながら、池田さんに滋賀の企業のガイドブックをいただいたりもして、参考にさせてもらいました。

池田さんふるさと回帰支援センターとしては、大きく分けて3つの方法でご案内をすることが多く、小佐野さんのように自分でどんどんリサーチされている方には資料をお渡ししたり、それから現地のハローワークや就職相談窓口をご紹介したり、住む場所がある程度決まっている方には市・町の移住担当者にお繋ぎしています。

 

 

―Iターンでの就職活動は、面接などで行き来するのも一苦労な面があるかと思いますが、大変ではありませんでしたか?

小佐野さん私は多忙なのが好きなので、忙しさはそれほど苦になりませんでした。交通費を最低限に抑えるためにも毎回夜行バスを利用していたのですが、バスから見えた景色が話のきっかけにもなったりして、これが面接での良い話題になるんです。これまで一人旅でいろいろリサーチしながら計画を立ててきた経験も活きたので、私には地方での就職活動も結構合っていたのかもしれません。それに、行き来を最低限にするためにも4社にしぼって受けたので、そのぶん気持ちも強まったというか……「どの会社も常に第一志望」という思いを持って面接に望めたので、結果的に少ないチャンスを物にできたのでは、とも思っています。

レポートを終えて――LO活生へのメッセージ

ほぼすべての都道府県の情報が集まる「ふるさと回帰支援センター」。私はある意味偶然というか、運命的に池田さんと出会うことができ、滋賀県の魅力や暮らしのイメージを聞かせてもらったり、セミナーの案内してもらったり、企業の情報が詰まった資料をいただいたり……と、何度もサポートしてもらいました。やはり、ネットや紙の情報だけではわからないこともたくさんあるので、地方就職に少しでも興味がある人は、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。

それから、1度は現地を訪れて、できれば地元の人と接する機会を作れると、「この場所で、こういう人になりたい」と具体的な想像もしやすくなるはずです。「現地で地元の人と触れ合うのって、どうすればいいの?」と困った時も、ぜひ相談員さんに話してみてください。

私は今、2020年の春に始める関西での暮らしに向けて、具体的な移住先を考えているところ。これからも池田さんに相談しながら、自分らしく暮らせる場所を見つけていきたいと思います。

■施設情報
ふるさと回帰支援センター
〒100-0006
東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館8F
https://www.furusatokaiki.net/

 

※この記事に掲載されている情報は、2019年9月にサイトに公開した時点での情報です。