特集

地方企業インターンシップ 現場レポート【信州ハム】

独自のレシピを考案して料理・実食まで!?
長野県の食品加工メーカーの体験型インターンに密着

今回は長野県東部(東信地方)に位置する上田市に本社を持つ食品加工メーカーで実施されている、インターンシップの様子を取材させていただきました。

様々な職種と仕事に触れられる5日間の体験型インターンで、参加者は地元出身者、東京出身者、学部も様々な5名。

この日はなんと、開発部門の業務の一環として独自のレシピを考案し料理・実食までを体験しました。

 

取材対象

実施場所:長野県上田市

受け入れ企業信州ハム株式会社

実施期間:2019年8月26日~8月30日

参加者有賀俊裕さん、林拓登さん、清水美和さん、泉田詩音さん、田畑胡桃さん

各種講義とグループワーク(レシピ作り)

取材させていただいたのは、インターンシップが始まって2日目の午前から。この日は白衣に着替えて、工場内部(試作室)での研究開発にまつわる講義から始まりました。

約1時間の講義のあとラウンジに場所を変え、本場ドイツで修業し「マイスター(※1)」の資格を持つ社員、関将樹さんによる講義。「食肉加工マイスター研修時代のお話」や、「ご自身が入社に至るまでのお話」など、たくさんの写真を交えて紹介してくれました。

※1:ドイツを発祥とする、職業能力認定制度。実店舗での実務経験を経た上で、試験(筆記、実技、面接)に合格することで得られる。信州ハムには現在2人のマイスター資格取得者が所属しており、食肉加工文化の中心であるドイツの歴史的な背景を知った上で、日本人の舌に合う商品開発などが期待されている。

 

 

その後は前日から行っていた、信州ハムの商品を使ったレシピを考えるというグループワークの時間に。2組に分かれて話し合い、レシピの内容を固めていく。

この日の午後はうち1組(有賀さん、林さん、清水さんの3名)は、作成したレシピを元にスーパーへ買い出し、実際に料理をして発表(&実食)を。もう1組(泉田さん、田畑さんの2名)は、料理は翌日として、工場に場所を移した体験実習を予定しているという。

 

お昼休憩&参加者座談会

お昼休憩中に参加者の皆さんにお話を伺いました。

 

有賀俊裕さん(長野県出身 都内の大学で農学部に在籍) 有賀俊裕さん(長野県出身 都内の大学で農学部に在籍)

林拓登さん(長野県出身 都内の大学で文理学部に在籍) 林拓登さん(長野県出身 都内の大学で文理学部に在籍)

清水美和さん(長野県出身 富山県の大学に在学中。食品会社への就職を希望) 清水美和さん(長野県出身 富山県の大学に在学中。食品会社への就職を希望)

泉田詩音さん(東京都出身 都内の大学に在学中。アウトドア好きが高じて長野県が好きになり長野県での就職を希望している) 泉田詩音さん(東京都出身 都内の大学に在学中。アウトドア好きが高じて長野県が好きになり長野県での就職を希望している)

田畑胡桃さん(長野県出身 長野県内の大学に在学中。地元での就職を希望) 田畑胡桃さん(長野県出身 長野県内の大学に在学中。地元での就職を希望)

―皆さんはどのようなきっかけで今回のインターンに参加されたんですか?

有賀:新宿で行われた長野県主催のインターンシップフェア(6月29日開催)に参加したのがきっかけです。大学のキャリアセンターでU、Iターン向けのセミナーがあって、そこにLO活の方がいらして、こういうフェアもあるので来てくださいって。

林:僕も長野県へのUターンを考えているので、LO活の存在は知っていました。

清水:私も今、地元の長野県で主に食品系の企業を検討中です。こういった5日間という期間で小人数でも対応してくれる企業はなかなかないですし、会社の素顔が知れるのでは?と思って参加しました。

田畑:大学では地元(長野)のインターン情報を紹介するセミナーが盛んですね。信州ハムはCMが流れていますし、スーパーでもよくグリーンマーク(※2)のハムやソーセージをみかけますし、長野県出身だったら特に身近な企業ですからね。

泉田:私だけ参加者では東京出身ですが、趣味が登山やロードバイクで、その関係でここ数年、長野県に来る機会が多くあって。来るたびに好きになってしまい、長野へ移住したいと思うようになりました。それに、東京の満員電車が嫌で…。

林:それは僕も同じです。大学からそのまま東京での就職も考えたんですけど、あの満員電車を経験してしまうと。

泉田:家賃も高いですし…。東京で働いても人が多過ぎて、多くの中の一人になってしまいそうだし、今は地方に出ていく方が良いかなって思います。ここ長野は、東京まで約1時間という距離なので週末に帰るくらいはできますし。地方ならではの豊かな自然と、そこに住まう人々の“地元愛”にも憧れます。

※2:1975年より発売。化学合成添加物(発色剤・着色料・保存料・リン酸塩)を一切使用しないでつくられた信州ハムを代表する食肉加工商品。緑色の木のマークが目印。

 

―参加されて2日目ですが、インターンの印象はいかがですか?

泉田:社員さんとお話する機会が多いのですが、皆さん物腰の柔らかい方が多い印象ですね。

有賀:いい意味でのんびりした、どこか“長野っぽい感じ”があります(笑)。

清水:先ほど講義されていたマイスターの関さんも、“職人気質”といった感じを想像していたらとてもフレンドリーな方で。

田畑:絶対に美味しいソーセージを作りそうな感じですよね。インターンシップの研修内容で工場、生産、営業、開発部門とほぼ全ての部署の方のお話が聞けるのも嬉しいです。

有賀:今回のインターンでは、個人的に食の安全性や品質面・衛生面を学びたいと思って参加したので、明日以降の「食品安全管理」を中心とした講義も楽しみです。こういった現場は大学の授業でもなかなかみることが出来ないので。

 

グループに分かれて料理実習と工場実習

お昼休憩を終え、泉田さん、田畑さんは工場実習へ。有賀さん、林さん、清水さんのグループは、午前中に考えたレシピを元に料理をスタート。信州ハムのベーコンを使った特製「ビビンバ」を作ります。

 

もやし、にんじん、ほうれん草を下ごしらえ。ベーコンは角切りにして焼肉のタレと絡めて炒める。協力して料理をする3人に、信州ハム公式HP内のレシピ(はむはむKitchen)の担当者も親身になってアドバイス。皆で美味しい一品を目指す――そしてついに完成!!

 

完成をむかえて、ほっとした様子の3人を記念撮影。出来上がった特製ビビンバは色取りも美しく、カリカリの厚切りベーコンが食欲をそそります。

参加者全員での実食のため配膳の準備をしていると、工場実習から帰ってきた2名も合流。互いの実習体験について、ここが面白かった、興味深かったなど感想を話しながらの実食。「大変でしたけど、社員の方のご協力もあって美味しくできました」と3人は笑顔で振り返っていました。完食の後、この日の研修過程は終了しました。

採用担当者 インタビュー

この日のインターン研修過程を終えたところで、採用担当者・佃さんにもお話を伺いました。

 

管理本部 総務部 部長 佃芳典さん 管理本部 総務部 部長 佃芳典さん

―インターンが導入されたのはいつからですか?

就労体験自体は長くやっていましたが、新卒向けの就活を意識した内容は去年から本格的に始めました。参加者それぞれの要望も聞きつつ、できるだけ多くの職種(工場、生産、営業、開発部門など)と仕事に触れていただく。自社のことも理解してもらいつつ、今後の就職活動や選択の助けになればと思ってやっています。

 

―一度で多くの職種や仕事に触れられる、充実した内容だと思いました。プログラムはどのように考えているんですか?

より充実したものにするべく、社内でアイディアを募ったり、試行錯誤しながらやっています。こうした体験型のインターンとなると、多くの部署と連携をとりつつ担当者に参加してもらう必要があって、その調整が難しいところです。

 

―お昼休憩時にインターンの感想を参加者の皆さんに聞いたのですが、一様に社員の皆さんの気さくさ、柔らかさを挙げていました。これらは社風といえるのでしょうか?

どうなんでしょう。きっと本当はもっとグイグイと「ウチに来なよ!」と、強くアピールしなきゃいけないかなと思うんですけど。この感じがカラーなんですかね(笑)。

 

―就職希望者は地元の方が多いですか?

昔は長野県の東信地区の方が多かったですが、今は変わってきていますね。長野県でも木曽、伊那、北信の方。それと同時に県外の方も増えてきました

 

―どういう人に来て欲しいという人物像はありますか?

社会人になっても常に勉強することは必要なんですよね。興味があれば何でも深堀りをしていく人。その上で、常に自分からアイディアを出す意識がある人が良いですね。また、信州ハムの企業名からどうしても研究開発や品質管理といった部分に目が行きがちですが、機械をいかに上手に使うかが生産性に直結する部分なんです。今後は技術者を志望するような学生にもアピールしていきたいと思っています。

まとめ

レシピの考案から料理・実食までというのは、少人数だからこそできる実習内容だと思いますし、参加者が一様に社員の皆さんの気さくさ、柔らかさを挙げていたように、アットホームな雰囲気を多分に感じられるインターンシップ現場でした。

地元出身者、東京出身者、学部も様々な5名が参加した今回のインターン。お昼休みに行った取材では、今回掲載した内容のほか、長野県の魅力を<地元から見た目線>と<県外から見た目線>と、楽しそうに交わす光景が印象的でした。

インターンの目的である仕事や社風に触れることはもちろん、同じ地方就職を目指す参加者同士の情報交換もまた「その土地を知る」「自身を知る」貴重な体験と言えるのではないでしょうか。