イベントレポート

「地域とつながるキッカケ交流会」
19/7/30 LO活プロジェクト主催イベント連動予告記事

なぜ塩尻は地域活性でここまで注目されるのか?
塩尻の仕掛け人たちと、東京の”人”を繋げるワークショップ

日本各地で地方創生の動きが活況だ。その中でもユニークな地域活動を展開しているのが長野県・塩尻市。独創的かつ地域に根付いた施策をみせる塩尻市の現状と、その魅力を塩尻市市役所職員の山田さん、そして塩尻市に魅せられて移住したたつみさん、横山さんの3人に話を聞いた。

 

※3人は7月30日(金)に開催されるLO活プロジェクト主催イベント『地域とつながるキッカケ交流会~塩尻と東京の”人”を繋げるワークショップ~』に登壇予定です。

塩尻にゆかりある3人が登壇!

たつみかずき(写真左)
大阪出身。22歳で京都から長野県北安曇郡小谷(おたり)村へ移住。役場勤務を経て2015年、長野県北アルプス山麓地域を拠点に会社を設立。(ゲスト/シェアハウス運営など地域流動を創出)塩尻市ではスナバ運営をしながらシェアハウスの運営を新たに開始する。

山田崇(写真中央)
塩尻市役所職員。塩尻市を拠点にした空き家プロジェクト『nanoda』代表をつとめるほか、塩尻市発のプロジェクト「MICHIKARA 地方創生協働リーダーシッププログラム」など数々の地域活性化アイデアを実現するスーパー公務員。『日本一おかしな公務員』を日本経済新聞出版社から2019年6月27日に発刊。

横山暁一(写真右)
転職メディアの法人営業を担当の法人営業を担当。塩尻市で暮らす人の魅力に惚れ込み2019年に移住。現在は複業として塩尻市の地域おこし協力隊のメンバーとなり、塩尻商工会議所に勤務。名古屋・塩尻市の二拠点生活を送る。

そもそも、塩尻市って?

日本のほぼ中央に位置し、古くから宿場町として情報の要衝として発展してきた塩尻市。ICTへの取り組みも早く、1996年日本初の公営インターネット接続サービスを開始。2007年には世界最大規模のIoTサービス基盤のアドホック無線ネットワーク網を市内全域に構築するなど、世界的にも注目されている。
また、農業には適さないと言われてきた水はけの良い広大な土壌を利用してブドウ栽培を開始。およそ100年前にワインの醸造を始めたことで今日の名産品となった。
こうした土地の強みを明確化し、イノベーションを起こしながら発展してきた歴史を持つ塩尻市。現在はさらに、人と人とのつながりに重きを置きつつ、アイデアを持ち寄り新しい価値を創出する気風がある。

▲「知の交流と創造」をブランド・アイデンティティに掲げる塩尻市。2007年に発表された市のロゴは名産のブドウをモチーフに、JR中央東線・西線・篠ノ井線の分岐点であることを表現。さらに“人”という文字が浮かび上がるデザインに。

 

塩尻市役所職員の山田氏はこう語る。「近年、塩尻市に関わりを持つ人は、塩尻市とは別に軸を持ちながら、新しい挑戦をはじめようとしている人が増えています。軸があるから新しいチャレンジにも臆することなく臨めるし、地元の人やこれから移住したいという人と繋がり、支え合うことができると考えています」

 

『地域とつながるキッカケ交流会~塩尻と東京の”人”を繋げるワークショップ~』に登壇するたつみさん、横山さんはまさに山田さんのいう軸を持ちながら、新しい挑戦をしているお二人。彼らがどうして塩尻市に惹かれ関わるようになったか? パーソナルな話を通して、塩尻市の現状とその魅力に迫りたい。

塩尻市に暮らす人の魅力に惹かれて、二拠点でのパラレルキャリアを実現。

<横山暁一さんの場合>

転職メディアの法人営業を担当する横山さんは、今年の春から名古屋と塩尻市、二つに拠点を置くパラレルキャリアを始めた。その転換期は鳥取県智頭町で行われた課題解決プログラムに関わったこと。地元の方々の“地域を良くしていきたい”という熱量に触れたことで、“想いを持った地域で居場所を見つけて働きたい”という想いを強くしたという。暮らしの面では結婚を機により具体的に理想の暮らしと家族像の再構築を考え始めるようになっていく。そんなときに出会ったのが求人サイトに掲載されていた『スナバ』の記事だった。

 

▲今回の取材場所でもあった『スナバ』は、メンバーシップを組んだ多種多様な人が出入りするシビックイノベーションの拠点として昨年8月にオープンした施設。視察、見学はこちらのURL

 

「市民、行政、民間が一体となって、イノベーションを生み出すというビジョンにとてもワクワクしました。塩尻市は妻の実家も近く、私自身日本ワイン好きということもあり(笑)、塩尻市への興味がどんどん強まっていったんです」と語る横山さん。何よりも印象的だったのが塩尻市で暮らす人の魅力だった。「記事をきっかけにいざ塩尻市へ行ってみると、ウェルカム感が半端なかったですね」と話す横山さんは地域とそこで暮らす人に魅せられ、2018年春にオープンを控えたスナバスタッフの募集応募に踏み切った。

 

だが結果は不採用。実は転職メディアでの仕事に面白さを見出していた時期でもあり、即座に移住を決めきれなかったことも要因だった。しかし、横山さんは塩尻市の人たちの「ウェルカム感」に引き込まれていく。その後も機会を見つけては塩尻市に立ち寄り、ゆるくつながりを持ち続けていた。そんな中、塩尻市役所の方から「こういう募集あるけど、どう?」と提案されたのが、現在勤めている商工会議所での地域おこし協力隊の募集だった。「今までの経験も存分に生かすことができて、地域のネットワークハブである商工会議所で自分自身の居場所を見つけられる」という話を聞いた瞬間に「これだ!」と感じたという。結果、協力隊として最大限のパフォーマンスを出し、家族も大切にする為にはパラレルキャリアが最適だと考え、時間をかけて会社を説得し、実現に至った。

 

地域おこし協力隊…人口減少や高齢化等の進行が著しい地方が、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行う制度。目的は定住・定着を図ることで、意欲ある都市住民のニーズに応えながら、地域力の維持・強化を図っていくこと。

 

横山さんは塩尻市で実際に働いてみて「想いを持って情熱的に取り組んでいる人が本当に多いんです。そこから生まれた面白くて熱量のあるアイデアを、行政がベンチャー企業のようにスピード感を持って進めることができるのも魅力」と感じている。
では、幸せな地方就職のポイントとは? 「仕事面で考えると、何をするか以上に“誰と働くか”が大事になってくると思うんです。想いのある仲間がいれば、自然と面白いことは生まれますから。塩尻市では、幅広い人たちと関わることができるので、この人と働きたいという仕事先が見つけやすいと思います。移住者が混じりやすい懐深い風土が塩尻市の特徴なので、まずはイベントで塩尻市の人と接していただけたらと思います」。

日本で一番地域変革に近い場所が塩尻市。
棲家も生業も居場所も生み出していきたい。

<たつみかずきさんの場合>

塩尻市になぜか集まる魅力的な人たち。その一人がたつみかずきさんだ。たつみさんは大阪出身。小学4年から3年のあいだ寮生活をしていた長野県小谷村への山村留学での暮らしが自分の原点だと話す。22歳のときに京都で自営業をスタートさせるが「需要も供給も満たされている場所で、誰かを蹴落とさないといけないという商売をするより、何もない場所に行って何かを生み出したほうが少しは社会のプラスになるのでは?」という思いを抱いたという。
そんな中、父親の気ままな移住に巻き込まれるかたちで再び小谷村へ。慣れ親しんだ第二のふるさと・小谷村の過疎化は深刻で、消滅の危機を目の当たりにし「人生を懸けてふるさとの消滅を阻止したい」と、長野県北アルプス山麓地域を拠点に「地域と人を繋ぐ」ことを事業とした会社を設立。ゲストハウス運営など立ち上げた事業の数々は注目を集め、田舎暮らしに興味をもつ若い人たちが多く集まるように。しかし、「地域と人との接点を創り出し、流動を起こして人を集めることまではできても、仕事や雇用を生み出すことは難しい。どうすれば行政と上手に仕事ができるのか…」。そんな模索の中で出会った地が塩尻市だった。

 

「日本で一番地域変革に近い場所が塩尻市」というのがたつみさんの見立てだ。北アルプスを盛り上げ、その上でふるさとを存続させるためのヒントを求めて、一度京都に戻った後、2019年1月に塩尻市へと移住してきた。そのきっかけは京都で開催されたイベントで山田さんと出会ったこと。「面白い人だなという印象から、こんなに自由でアグレッシブな動きをしている山田さんのことを理解している人が周囲にいて、決裁している上司もいる…塩尻市の構造が、これまで僕の体験してきた行政システムとは違うんじゃないか? と。興味は塩尻市で暮らす人たちへ向けられました」。山田さんの突き抜けたアイデアが実現できている塩尻市の行政を理解すれば、北アルプス地域の現状を打破するきっかけになる――その思いから、たつみさんは塩尻市でのキャリアをスタートさせた。

 

たつみさんの職場は、横山さんが塩尻市へと移住するきっかけにもなった『スナバ』だ。『スナバ』に集うのはワイン醸造家を目指す高校生から一流の起業家まで様々。そんな多種多様な人たちが『スナバ』で関わり合うことで、未知の化学反応が起こっている。「目指しているのはカオスな場所。ここでは常になにか面白いことが巻き起こっていて、いろんな人が入り乱れてます。『スナバ』ではそうした人たちの行き先をたくさん用意していきたい。棲家も生業も居場所も。いろんな出口をみんなで創っていくのが『スナバ』のミッションですから」。

 

たつみさんが22歳で移住した当初、一番つらかったのは友だちがいなかったことだったという。「だからこそ、移住したい地域を見つけたら、まずは足を運んで関わってみて触れてみるのがいいと思うんです。だって移住って家を借りて、仕事を探して…って敷居がめちゃくちゃ高いでしょう」と地域へ積極的に関わることの大切さを語るたつみさん。では、塩尻市で働くことの魅力について聞くと「『スナバ』で働き始めてみて感じるのは、塩尻市は一人にさせない風土がある。日本のどこよりも地域や人と関わりやすい場所だと思うんです。今回のイベントは、塩尻市の人たちと関わることのできるチャンス。ほんと気軽に来ていただけたら嬉しいですね」。

『地域とつながるキッカケ交流会~塩尻と東京の”人”を繋げるワークショップ~』では、一人ひとりに合うカスタマイズ型の仕事探しを提供したい

横山さん、たつみさんはじめ移住者が魅力を活かし合いながら、緩やかに地域に根ざすことができる理由を山田さんに尋ねると「人にはそれぞれに輝き方があると思うんです。その輝き方に合った仕事をカスタマイズしていく。それを私たちも一緒になって創っていきたいんです」という。「塩尻市の地域ブランド・プロモーションの実践は今年で5年目を迎えました。改めて振り返ってみると、この5年間で予想もしなかったようなプロジェクトや事業ができるようになりました。それは多くの人が塩尻市に関わり、根付いてくださったから。例えば、たつみくんや、横山くんも関わる地域おこし協力隊は8代目を迎えて今は6人のメンバーが活躍してくれています。彼ら一人ひとりと出会い、話をする中で、プロジェクトのアイデアも可能性もグンと広がったと感じています。塩尻市に興味を持ってくださったからには、一人ひとりに関わりたい。そしてお会いして話をする中で、よい方向に合わせていく柔軟さとカスタマイズ力が今の塩尻市にはあると思います」。

 

イベントでは参加者一人一人に合った塩尻市(を知る)ツアーを作る内容を想定している。本記事を読んで塩尻市に興味を持った方は、是非このカスタマイズ力を体験してみてもらいたい。横山さんのいう「ウェルカム感」も、多分に感じられるだろう。

 

「移住や地方就職を考えながらも、もやもやしている段階でイベントに来てしまった人のちょっとした差分を埋めつつ、前向きなエネルギーから一歩を踏み出した人の挑戦を増幅させたいと考えています。塩尻市はその触媒でありたいなと思っています」(山田さん談)。
踏み出した小さな一歩が、あなたが輝く居場所を見つける、思わぬキッカケになるかもしれない。

イベント紹介

7月30日(金)19時15分~、茅場町駅にほど近いCAFE SALVADOR BUSINESS SALONにてたつみさん、横山さん、山田さんも参加し開催される地方就職、転職、移住応援イベント「地域とつながるキッカケ交流会~塩尻と東京の”人”を繋げるワークショップ~」。
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