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データでみる企業の姿

給料の高い会社が、よい会社?

就職先として“よい会社”とは、どのような会社でしょうか。

やはり、最初に思い浮かぶのは、「よい会社」=「給料の高い会社」という図式かもしれません。

そこで、全国約1,200社の企業の経営者層に尋ねた「地方企業と働き手のための雇用実情調査」から、関係するデータを抜き出して、考えてみましょう。

 

図表-1 各社における正社員の平均的な月収、その金額別にみた会社数の割合


											
Figure_180409_08

図表-1は、自社の正社員が平均的にいくらの月収を得ているか、各社に答えてもらったものです。

これによると、全体の42%の会社が自社の正社員に対し、平均して20万円超~30万円の月収を与えていることがわかります。

一方で、平均して60万円超の月収を与えている会社は、全体の2%にも満たないようです。

平均40万円超の月収を与えている会社の数を合計しても、全体の15%弱ということになるので、皆がよい会社と思っている「給料の高い会社」というのは、そんなに多くないようですね。

 

図表-2 「給料の高い会社」における好業績会社の割合


											
Figure_180409_09

「給料の高い会社」は、会社として儲かっているのでしょうか。

図表-2によって、ここ5年程度の企業業績を平均月収別に分けてみたところ、平均月収40万円超の会社(右グラフ)では、「業績好調+やや好調」の会社が全体の6割近くになっています。

やはり、高い給料を払っているからには、業績も良くないとならないのですね。

 

図表-3 「給料の高い会社」における社内の競争状態


											
Figure_180409_10

それなら、やはり月収が良くて業績も好調な会社を目指すべきなのでしょうか。

ただ、高月収 & 好業績であるのは、それなりの理由があってということもあります。

図表-3は、「給料の高い会社」における社内競争のレベルをみたものです。傾向的に、給料が高い会社であるほど、社内競争が強く促されていることがわかります。

高い給料が得られるのは、社内でお互いに競争し、個人単位の業績を高めているからだという会社が多いのです。

競争のなかでお互いに高め合い、切磋琢磨することは良いことです。能力も上がり、給料も高いとくれば、言うことはありません。

ただし、社員の立場としては、気になるデータもあります。

 

図表-4 社内の競争状態とリストラの実施姿勢


											
Figure_180409_11

図表-4は、社内の競争状態とリストラを実施する姿勢を尋ねたものです。

これによると、積極的に社内の競争を推進している会社であるほど、いざという時には、リストラを迷わず実施するという傾向が出ています。

社内競争が進んだ結果、社員間の優劣は明確に出ているので、リストラを実施しやすいことが背景にあるのでしょう。

 

図表-5 リストラをしない方針があるような会社は、一般的にどのような顔を持つ会社か


											
Figure_180409_12

企業としては、リストラの実施による人件費削減は有効な選択肢であり、経営判断の一つです。

高い給料と好業績が維持されているのは、そうした経営判断の成果であるのかもしれません。

 

同時に、このことは社員にとっても重要な問題なので、「給料が高い会社」というだけで飛びつくのは、早計といえるでしょう。

ただし、そうした情報を、なかなか社外から知る手掛かりがないのも確かです。

 

図表-5は、逆に、リストラをしない方針があるような会社は、一般的にどのよう顔を持つ会社かをみたものです。

リストラをしない姿勢を示すような会社、つまり社員の雇用が大事だと考えるような会社であるほど、リストラうんぬんの話だけでなく、地域社会を大事にしたり、業界のことを考えたり、前向きで特徴的な取り組みをしたりする傾向があって、いろいろな角度で世間から認められ、頼られたり、称賛されたりする機会が多いようです。

あくまで、図表-5のような傾向がみられるということで、決定的な基準ではありませんが、一つの有効な手掛かりになることでしょう。

いずれも公開されている情報ですので、できる限り収集して判断することが大切です。

 

 

 

 

 

【 講 師 略 歴 】
海上(うなかみ) 泰生(厚生労働省「地方人材還流促進事業」助言指導委員)
早稲田大学法学部卒業後、中小企業信用保険公庫、中小企業庁長官官房、通商産業省(現経済産業省)貿易局 課長補佐、
OECD(経済協力開発機構)パリ本部 輸出信用専門家会合委員、日本政策金融公庫総合研究所グループ長を歴任し、主席研究員(現職)。
埼玉大学大学院非常勤講師を経て、現在、横浜市立大学・立教大学・三重大学の3大学の講師を兼務。
所属学会 : 日本金融学会、組織学会、日本中小企業学会

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