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LO活部長 佐藤裕のお悩み相談室

第3回 地方での就職だと成長できない? 第3回 地方での就職だと成長できない?

第3回 地方での就職だと成長できない?

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LO活部長 佐藤裕
株式会社インテリジェンス リクルーティングディレクター

2002年に新卒で外資系人材ビジネス関連企業に入社し転職支援サービスに従事。
2007年、株式会社インテリジェンス入社。採用業務に従事した後、転職支援サービスにてゼネラルマネジャーとして、様々な企業の採用に携わる。
現在は自社の採用活動に従事するほか、講義・講演や面談を通じて年間2万人以上の学生に会い、キャリアや就職活動について、メッセージを発信している。
関西学院大学 客員講師や株式会社ベネッセi-キャリアの特任研究員も務める。

学生プロフィール

今回のゲストは宇都宮大学1年生の堀内さん。

堀内 優花(ほりうち ゆか)

宇都宮大学農学部農業経済学科1年生。

愛知県出身。生後すぐに東京に引っ越す。現在は都内の実家から宇都宮大学に通いながら、学生団体「いろり」の活動に力を入れている。来年4月からは代表に就任予定。将来は、地方での就職を希望している。

「生産者の近くで働きたいから」と地方での就職を希望するも・・・

 

佐藤

まだ1年生なんですよね?

 

堀内

はい。今は平日週4日は大学に通うスケジュールにして、あとの1日は学生団体の活動にあてています。

 

佐藤

どんなことをしている団体なんですか?

 

堀内

「全国の学生と共に日本の一次産業を盛り上げる」というコンセプトの団体で、農家の方などと一緒に商品開発をしたり、イベントを企画したりしています。実際に農作業もするんです。私は小さい頃から農業に興味があったのですが、農家になるというよりは裏方として産業を支えたいという思いが強くなっていて、それで農業経済学科のある宇都宮大学に進学したんです。

 

佐藤

なるほど、それで宇都宮大学なんですね。ところで、今のところはどんな就活を考えていますか?

 

堀内

どこの企業にというのはまだ考えていません。漠然としているのですが、地方に就職したいとは思っています。

 

佐藤

それはなぜでしょう。地方の定義とは?

 

堀内

私、東京にいたくないんです。もちろん一概には言えませんが、東京にいると消費者目線になってしまう気がしていて・・・。東京だと自分が消費者であることを常に意識してしまうし、食べている時でさえも、作っている人のことを考えていないなあと思うんです。だから私は消費者ではなく、生産者のいるところに行って働きたいんです。

 

佐藤

ということは、一般就職という話ではないのかな?

 

堀内

もっと具体的に言うと、農業経済学科なので、即売所の経営とか道の駅の再生といったことに興味があります。

 

佐藤

そこまで考えられているのはすごいですね。堀内さんにとって、将来は不安よりも期待の方が大きいという感じですか?

 

堀内

そうですね。期待はすごくしています。ただ、不安もあります。

 

佐藤

それはどんなものですか?

 

堀内

実際に地方に移住した人から、現地で困ったことや人間関係の苦労などを聞くことがあるのですが、「移住ってハードルが高いな」と思うことがあるんです。そこに不安というか、「本当にできるのかな?」と思ってしまうことがあります。

環境のせいにして諦めてしまったら、勝負はそこで終わり!

 

佐藤

なぜ不安について聞いたのかというと、多くの学生から、「地方で働いても成長できないんじゃないか?」という相談をされるからなんです。そうした不安はないのかなと思って。堀内さんはどう思いますか?

 

堀内

大学の友達でも、「東京に出て働きたい」と言う人は多いです。でも理由を聞くと、都心の高層ビルで働いて、仕事帰りにショッピングをするようなイメージに憧れているからなんですね。それはちょっと意味がないと思うんです。私は、自分の好きなことが東京にあれば東京で働けばいいという考えです。だから、「地方だから成長できない」というのは間違っていると思います。

 

佐藤

なるほど。これは確かに難しい話ですが、僕は実際には両方あると思っています。事実、東京の方が伸びる能力はある。

 

堀内

そうなんですか? たとえばどういうことですか。

 

佐藤

ビジネスの規模、あとはスピードです。たとえば、1億円の規模の仕事をいつも回している人は、100万円の仕事はすぐにできる。だけど、いつも100万円の仕事をしている人が1億円の仕事をいきなりできるかといえば、無理だと思う。それは東京と大阪、名古屋の間でも、もちろん地方との間でも当然あります。でも逆に、その土地でしか得られないことは確実にある。だから、能力が伸びるかどうかではなく、「そこでしか伸びないものがある」という考え方です。

 

堀内

確かにそうですね。

 

佐藤

あと、究極の考え方として僕が学生によく言うのは、「自分がどうしたいのかによって場所はまったく関係なくなる」ということ。たとえば、地方にいて「自分は東京にいないから」「情報がないから」と環境のせいにして諦めてしまったらその時点で勝負は終わっちゃう。逆に「東京ではできないことで、こっちでは何ができるだろう」と考えてみると、今の時代はほぼ同じことが同じようにできてしまうわけ。移動だってあっという間だし、インターネットもある。

だから、そこの意識の持ち方の違いと、自分がどの方向に向かうかによって、得られる能力はたくさんあるんだということを頭に入れておくのは、就活においてすごく重要なポイントだと思います。認めないといけない「差」は確かにあるけど、それ以外のところはまったく違う視点を持って見てみる必要があるというわけです。

 

堀内

東京に出たい人の気持ちも、分からないことはないんです。実際に私が団体に所属できたりいろいろなイベントに参加できたりするのも、東京に住んでいるからこそですし。

 

佐藤

そういう点では、堀内さんは都会と地方の両方を知っているから、視野が広く持てていると思いますよ。

 

堀内

私がいつも考えているのは、地方に行きたい学生が心配しているのは仕事のことではないということです。現地でどれだけいい人間関係が作れるのか、近所の人とうまくやっていけるのか、恋人はどうなるのか、そういうことだと思うんです。だから、地方に行った人から話を聞くことは重要だと思います。

 

佐藤

確かにそうですね。ちなみに、即売所や道の駅で働きたい場合、自分から運営会社を調べて問い合わせてみるといいかもしれません。もし表立った求人が出ていなくても、連絡したことがきっかけで採用に至ったケースはどの業界でも実際にあるんです。諦めずに探してみることも大事ですね。

 

堀内

そうなんですか! ではさっそく調べてみようと思います!

 

(掲載日:2015年11月6日)

LO活部長 佐藤裕からのアドバイス!

「地方での就職だと成長できない?」という質問に対して、私はNOだと考えます。ただ、「都会だからこそ」「地方だからこそ」という、それぞれの環境の違いから来る「その環境だからこそ磨ける力」というものがあります。
都会と地方、それぞれの環境や仕事の実態を理解した上で、まずは自分がどうしたいのか「成長の方向性」を考えましょう。その上で、目的に向かうためには何を学ぶべきか?どんな力を磨くべきか?を言葉に落とすことが大切です。就職活動までまだ時間があるのであれば、地方でのインターンシップ・職場見学などを体験してみるのもオススメですよ。

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